ペンギン夫婦の山と旅

住み慣れた大和「氷」山の日常から、時には海外まで飛び出すペンギン夫婦の山と旅の日記です

熊野古道・伊勢路(続)

2005-12-13 10:51:26 | 山日記
今回は26人の大パーティのリーダーをさせて頂きました。
二日目は当初の計画ではスタート地点の向井までバスで行き、
八鬼山越えでここ三木里へ下る予定でしたが、往復すると1
時間ほどのロスになるので逆に歩くことにしました。

名柄一里塚の辺りから見上げる八鬼山(やきやま)です。



八鬼山越えは「西国一の難所」といわれました。ずっと続く
石畳の道の傍らには、所々で巡礼の墓や町石の地蔵さんなど
が置かれています。



やや荒れ気味の江戸道を登り、登りついた八鬼山山頂のゴト
ゴト石です。深い林の中で展望は全くありません。
647mの三角点も見あたりませんでした。



静かで趣のある古い峠道なのですが、ここが「世界遺産」に
登録されたことを快く思わない地元の人もいます。
登り口の名柄でも「世界遺産反対」の立て看板などを見ました
が、峠から下りになると更にひどくなりました。
美しい木の幹や、由緒のありそうな名前の岩、さらに石仏に
まで自分たちの主張を赤や黄などのペンキで書きなぐってあり
ます。先祖の土地を大事に守りたい気持ちは分からなくもあり
ませんが、自然のすべてに神が宿ると考えて敬い崇め、大切に
してきたご先祖様たちはどう思っておられるでしょうか?



嫌な光景に目をつむると、ヒノキの美林、シダの緑の中に続く
石畳の道は実に美しい峠道です。雨の多いこの地方では、生活
道路としての機能を果たすためにも土砂で崩れないようにする
必要があったのでしょう。そのために賦役にかり出された庶民
の為政者への恨みや不満が、今になっても残っているのでしょ
うか。
そんなことを思いながら尾鷲に下りました。




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