ペンギン夫婦の山と旅

住み慣れた大和「氷」山の日常から、時には海外まで飛び出すペンギン夫婦の山と旅の日記です

2012ネパールの旅 14 (カトマンドゥ 2)

2012-12-21 18:09:03 | 旅日記

カトマンドゥはネパールの首都で別名・カンティプール(栄光の都)。人口67万人(2011年)でネパール最大の都市です。街のあちこちに寺院がありますが、中心部から西に3kmほど離れた丘の上に町を見下ろすように立つスワヤンブナートは、カトマンドゥの象徴ともいえる寺院です。

スワヤンブナートの仏塔。四方にすべてを見通すというブッダの目が描かれています。更に額には第三の「真実の目」が…

ここにたどり着くには、かって東側の坂の下から露店や乞食、ガルーダや獅子の石造を見ながら385段の階段を登ったものですが、この前2006年にきたときは、車で西側にあるこの門まで登りました。今は観光客は殆どここまで車で来るようです。

門を入ると小さいチョルテン(ストゥーパ、仏塔)が並んでいます。上に張られている五色の旗はタルチョ(祈祷旗)といいます。五つの色は物質の五大(元素)、黄=地、青=水、赤=火、緑=風、白=空を表しています。旗には経文が刷られていて、風にはためく度に世界に仏法を拡げて行きます。

ここから参道を進みます。お土産屋さんの前には野良イヌが寝そべり…

境内の仏塔ではお猿が遊んでいます。このお寺は、もともと「Monkey Temple」といわれるほどサルが多いところですが、最近は観光客が与える餌のお蔭でさらに数を増しているそうです。

この辺りではこの通り数え切れぬほど群れています。

ところでこの写真には、いろんな形式の建物が写っているのにお気づきでしょうか?(Photo by Maru-san)
左側の白い建物はインドのシカラ様式仏塔、中央はチベット仏教の大チョルテン、右はヒンドゥー寺院です。宗教の混在に寛容なネパールならではの光景です。

しばらく自由行動になりました。大チョルテンの周囲を一回りしてみましょう。作法通り時計回り(コルラ)します。
東側正面に来ました。長い石段を登って参詣する地元の人たちに混じって、外人観光客の姿も見えます。(Photo by Maru-san)

石段を登り切ったところが寺院の正面です。安置されている黄金のドルジェ(金剛杵、こんごうしょ)は「無明を打ち砕く雷」で、密教の法具です。

ストーパの高さは15m、円形の部分は直径18mあります。伝説によると、遥か昔、カトマンドゥ盆地は湖でした(これは地質学的な事実でもあります)。ある時この湖に一輪の蓮の花が開き一条の光を放ちました。本初仏・持金剛(大日如来)の出現です。そのとき中国の五台山からインドに帰国の途に会った文殊菩薩は大日如来に敬意を表すためネパールに赴きます。当時、土地の人は湖に住む大蛇に苦しめられていましたが、文殊菩薩は携えていた利剣で山を切り開き、湖水を流し大蛇を滅ぼします。文殊菩薩は後に残った小高い丘にストゥーパを建てました。スワヤンブーとは「自ら生じるもの」「万物の創造者」の意味<サンスクリット語でスワヤン=自らの、ブ=大地・地球>で、大日如来はのちに仏陀として転生します。

ここは盆地底部より77m高いのでカトマンドゥ市街部を眼下に見下ろせます。ずいぶん高い建物が目立つようになりました。

「オム・マニ・ペニ・フム」(おお宝珠と蓮華に幸あれ)と唱えながらマニ車を回します。

大ストゥーパの周りには9つの祠堂があります。中に祀られている大日如来。

一巡りして元の場所で集合します。建物はチベット仏教のゴンパ(僧院)です。

別の参道で元のゲートに下りました。



3 コメント

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仏塔のブッダの目 (ciao66)
2012-12-21 21:15:43
仏塔のブッダの目は興味深いですね!一つの目に目玉が二つもついている・・。
にらみを利かせているようにも見えました。ちょっと怖そうでも有ります。
第三の目というのは、眉毛の間に有るに有る赤い点でしょうか。

ところで、猿の大群は悪さはしないのでしょうか?
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ciao66さんへ (変愚院)
2012-12-22 10:11:04
仏陀の額にある丸い点は、ガイドは「第三の目」と言ってましたが、心眼とでもいうのでしょうか真理を見極める目だそうです。

猿は観光客に悪戯をすることがあるそうです。現に2006年に行ったとき、同じグループの一人がインスタントカメラを奪われた事件がありました。
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仏教寺院 ()
2012-12-24 10:25:23
目玉寺院(スワンヤンブナート)は雑誌などで何度か目にしたことがありました.昔から宗教がらみのいさかいは後を絶たず厄介な問題ですが,仏教とヒンドウ教が共存するこの寺院は特に何の問題もなく参拝客で賑わっていました.信仰深いネパールの人たちにとっては大切なところです.
仏教寺院をのぞいてみましたが,比較的参拝客は少ないように見受けられたが,参拝客や僧侶は北京語で会話してました.チベットの僧侶も北京語を使うのですねえ.
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