ペンギン夫婦の山と旅

住み慣れた大和「氷」山の日常から、時には海外まで飛び出すペンギン夫婦の山と旅の日記です

奈良の山あれこれ(05)~(07)

2015-02-06 20:44:31 | 四方山話

大和はくにのまほろば」…回りに海を持たないまさに「山都(やまと)」の山々。奈良の山「ならでは」の話題を綴っていきます。色んな資料を参考にしましたが、写真はすべて私の登った時のもので古いものも含んでいます。

(05)高円山(たかまどやま)「奈良の大文字焼き」

近年まで山頂(460m)には高円山ホテルがあり、夜景を眺めながら飛鳥鍋(牛乳をベースにした鳥鍋)で一杯やるのは最高でした。

前に展望台があり大伴家持の「たかまどの 秋野の上の朝霧に 妻呼ぶ牡鹿いで立つらむか」の歌が、犬飼孝書の万葉仮名で刻まれた万葉碑が立っています。

旧ホテル裏側の山頂へは、ドライブウェイから簡単に行けますが、三角点は道路の反対側を下った雑木林の中の高みにあります。登山の対象としては、ツバキやハギで有名な白毫寺から(または滝坂道の途中から)中腹にある奈良大文字焼きの火床に登ります。

大文字焼きの歴史はまだ浅く、戦没者慰霊と世界平和を祈願して昭和35年から始まったものですが、「大」の大きさは一画目が109m、二画目が164m、第三画目が128mで日本最大級です。ここから古都奈良の展望を楽しんだ後、急坂を登って林に囲まれた点名・白豪寺432mの二等三角三角点に登るのがお勧めです。

(06)一体山(いつたいざん)「天狗の足跡」
一台山とも書きます。笠置山地(大和高原北部)にありますが、行政区分上は奈良市に属します。北には柳生の里があり、南麓を東に行くと御影(ごえい)を経て観梅で名高い月ヶ瀬に至ります。

西へ行けば柳生から忍辱山(にんにくせん)を経てくる道と合流して、誓多林から石畳の滝坂道が奈良に通じています。この付近は何故か仏教的な地名の多いところです。(写真は柳生街道石切峠の峠茶屋)

下誓多林の中ほどに、岸壁に大きな二つの足跡があります。昔、天狗が誓多林堂の太鼓を盗み出し、一台山の松の木にかけて鳴らした時の足跡だそうです。



595mの山頂には関西電力無線中継所と塔が立ち、二等三角点標横には役行者像がありました

(07)矢田山 「飛行機の神さんと邪馬台国」

信貴・生駒山地と奈良盆地の間に並行して連なる矢田丘陵で一番高い山(といっても)340m。饒速日命が天から降臨して住まいを定めるに先立って、天神から三本の天羽々矢を授かり天磐船(あまのいわふね)から射た矢が落ちた所がこの山麓です。

最初の矢は一の矢(矢田町の小字)に、

二の矢は北北東の矢田座久志玉比古神社に…(ヤタニイマスクシタマヒコ神社は別名・矢落明神と呼ばれ、楼門に木製プロペラが付けられ「航空祖伸」の文字が記されています

三の矢はさらに北北東の字飛具谷字宮所に落ちました。それぞれの場所に小さな塚があります。ニギハヤヒノミコトを物部氏の始祖と考え、三の矢の場所を邪馬台国伝承地と想定する説も生まれました。