ペンギン夫婦の山と旅

住み慣れた大和「氷」山の日常から、時には海外まで飛び出すペンギン夫婦の山と旅の日記です

木枯らしの竜王山(14.11.13)

2014-11-14 11:33:46 | 山日記

 

急に寒くなった朝、ゆっくり家を出て長岳寺に向かう。駐車場には大地獄絵公開中のためか観光バスが停まっていた。

車を降りると風が冷たく、上着を着て手袋をする。舗装路に出ると竹林を背景に、真っ赤な種を覗かせたマユミの実が美しかった。
 
収穫が終り、葉も落ちてすっかり淋しくなった柿畑の間を抜けて山道に入る。今日は体調が良かったので、腰ベルトも膝サポータも付けるのを忘れてきた。ずぼらをした報いで、案の定、痛みという程でもないが右腰から脚にかけてだるく感じて、足が進まない。和子が「リハビリのつもりで、ゆっくり登ったらいい」と言ってくれたが、心の中ではもどかしく思っていたことだろう。風は頭の上の梢を揺らして轟々と音を立てているが、道は深い溝状のところを行くので寒さを感じない。二度ほど急登を終えたところで、上着を脱ぐついでに腰に薬を擦り込んだ。

お蔭でロープの張ってある一番の急登は案外楽に登れた。その上のベンチで腰を下ろして、塩レモン水を飲む。

お不動さんまでにいつもより大分、時間を喰ってしまった。頂上まであと1.3kのここからは痛みもなくなって、いつも通りに歩けるようになった。奥ノ院分岐を直進すると800mだが、遠回りして300m先の奥ノ院へお参りしていく。

もったいないほど下って古墳を過ぎ、いつものように優しいお顔の奥ノ院の不動さんを拝む。後ろの五つの石碑には何々大明神の名が二つずつ刻まれている。中には雨乞いの山らしく「白長大明神」の字もあった。60mで柳本古墳群からの道に出会う。「頂上まで1k」の表示があった。

延々と続く木の階段が、暗い林の中に入ると白いセメントで補修されて「これこそ白長大明神」とぼやきながら登る。ここまで誰にも会わなかったが、林道に飛び出したとたん空身の若いペアに出会う。女性はスカート姿で登ってきたらしい。柳本竜王社の横から頂上に登る。

思った通り、誰もいない城址を音を立てて風が吹き抜けている。展望は良く、和子がしばらく双眼鏡で探して明石大橋を見つけた。大阪湾に浮か船影も見える。上着を来ても寒いので水分補給だけで急いで下る。田竜王社の方に降りる途中で登ってくる男性にであった。
 
トイレ横からの下りも階段が続くが、こちらは明るい林の中で、ときどき美しい赤や黄の落葉を踏んで行く。快調に下って行くと、登りで休んだベンチに男性が二人、腰を下ろしていた。少し下ると若い女性が一人登ってきて挨拶を交わす。今日、出会った人はこれで終わり。静かな初冬のリハビリ山行だった。

<コースタイム>長岳寺10:10…石不動11:07…奥ノ院11:33~37…頂上12:05~12:20…長岳寺13:40