ペンギン夫婦の山と旅

住み慣れた大和「氷」山の日常から、時には海外まで飛び出すペンギン夫婦の山と旅の日記です

矢田の大石

2014-09-05 09:08:52 | 四方山話

 

小学校5年の孫娘が登っている石は、王石とも足形石ともいいます。その謂れは壬申の乱(672年)の時、大海人皇子(のちの天武天皇)が戦勝を祈願して矢田山の上から馬にまたがったまま飛び降りたとき、馬の足形がついたためと伝えられています。

 駒井保夫「郷土の伝説」(昭和55年)によると、負け戦で矢田の地に逃れた皇子が矢田山の頂上に瑞光を見て登ると、一つの石が光を発していた。「現在もこの石は御祈念石とか、きつね石とか呼ばれ残っています。」皇子はこの石の前で戦勝を祈って白馬に乗って飛び降りたと書かれています。

またこの石を割ろうとすると血が流れ、その跡が根元に見られるとも言われています。私は御祈念石を探してみましたが、それらしい岩はまだ見つけられません。また肝心の馬の足跡も、血の筋も見つけることは出来ませんでした。

大石は高さ約8mほどの花崗岩の丸い石で、今にも転げ落ちそうに斜面から突き出しています。場所はアジサイで有名な矢田寺の北西、境内から矢田山へ向かって町石道を登っていくと、(遍路みち八十番霊場国分寺で左の山道へ入る処を直進) 右側に石の上部が見えます。

すぐ先の右から上がってくる道を下ると、北側からの全体の形を見ることができます。ボルダリングの練習をする人もいて、チョークが付いていることもあります。

反対側(南)から見た大石。左手の木の根を伝って上に登れます。この道は少し下った竹藪の横の分岐を左に折れると、近畿自然歩道にでます。左に行けば東明寺です。分岐を直進すると自然歩道に合流して、右に行くと矢田寺に入ります。