ペンギン夫婦の山と旅

住み慣れた大和「氷」山の日常から、時には海外まで飛び出すペンギン夫婦の山と旅の日記です

台湾周遊の旅(2)

2013-03-10 09:30:25 | 旅日記

三峡・清水祖師廟
清水祖師(本名・陳昭應)は北宋時代の役人で退職後、福建省安渓県清水巌に隠居。橋を掛けたり道路を補修するなど社会事業に献身したので人々の崇敬を集め清水祖師と呼ばれました(我が国の行基を連想しますね)。安渓の人は祠を建て祖師廟と呼びました。後に安渓の人が台湾に移住して三峡を定住地にした時、この土地の守護神として祖師を祀りました。


祖師には様々な神秘的な伝説があります。例えば、天変地異や災いが起こるときに祖師像の鼻が落ちて人々に危険を知らせたことから「落鼻祖師」とも言われます。災難除けや福を授ける神様として人々から篤く信仰されています。


祖師廟は台湾美術の宝庫で、建物の至る所に芸術的な素晴らしい技巧がこらされています。回廊や柱の美しく精緻な彫刻は目をみはるばかり。


石の階段手摺の石版。中国の故事にちなんだ場面が刻まれています。


祖師廟は戦争や火災で二度の再建後、1947年に台湾のガウディと呼ばれる李梅樹教授により三度目の修復が始まり、教授没後の今も続けられています。まだまだ観ていたいところですが、残念ながら集合時間が近づきました。


長福橋の上には屋台もたくさん並んでいました。長い橋を渡り終えて唐獅子の守る門を出ます。
台湾料理の夕食を済ませて花蓮へ向かう途中で、新竹のランタン・フェスティバルに行きました。


新竹(シンツー)
旧暦正月15日は「元宵節(げんしょうせつ)」と呼び、古くから台湾四大節句のひとつとされています。新しい年が明けて(旧元日=今年は2月10日)から最初の満月の日(2月14日)で、全てが新しく始まることを祝います。この日は家々でたくさんのランタンを灯し、家族でご馳走を食べたり外で月を愛でたりします。


ランタン・フェスティバルは毎年この時期に台湾各地で行われますが、今年のメイン会場はここ新竹の高速鉄道駅前広場です。今年の会期は元宵節当日から3月10日まで。私たちがこの時期にツァーに参加した目的の一つも、この催しを見ることでした。


会場の入口には伝統的なランタンが並んでいます。




上はお目出度い動物代表・龍と鳳凰、下の段は今年のテーマ「アニメ、テクノロジー、カルチャー」に因んだ展示です。


様々な工夫を凝らした色とりどりのイルミネーションが、鮮やかに夜空を飾ります。


三重県から出典のブースには「忍者ハットリくん」や「鳥羽水族館、パールアイランド」が登場し、台湾の観光客誘致に一役を買っていました。


うっとりするような幻想的な美しさです。


一番の見ものは今年の干支に因んだ「蛇」。様々に色が変わります。




15分に一度は音楽に合わせて回転しながら煙を吐き…


極彩色に輝きます。




人混みの中を約1時間、夢のように美しくも妖しい世界に迷い込んだような一刻でした。