ペンギン夫婦の山と旅

住み慣れた大和「氷」山の日常から、時には海外まで飛び出すペンギン夫婦の山と旅の日記です

マナスル三山展望トレッキング(5)

2006-10-12 09:20:18 | 山日記
ベシサール~バグルンパニ
10月3日。
夜半より時々激しい雨がテントを叩き、その度に目を覚ましました。
明け方雨が止み、安心して少し眠った5時、上のゴンパの拡声器から
単調な祈祷のメロディーが流れ、ニワトリやツグミに似た鳥が騒ぎ出
しました。


8時前、出発。20分の急登で町を見下ろすゴンパ(僧院)まできました。
ゴンパの前で休憩。村々をつなぐ街道の所々にはこのような石で囲んだ
休憩場所が作ってあり、大きな菩提樹などの木が涼しい日陰を作ってい
ます。こんな場所をチョータラといいます。


二度目はゴンパから一時間歩いたビンタビレの村で休みました。
この男の子はダワ君。左のカーボーイハットを被ったサーダー(シェルパ
のチーフ)マイケルさんの子供です。(他はこの村の人達)

マイケルの本名はテンジン・ドルジェ・シェルパ。エベレスト、ダウラギリ
などの登頂経験を持つ優秀な高所シェルパでしたが、足を痛め、家族の
将来も考えて、安全なトレッキングガイドに転向したようです。
非常に日本語が上手で、何かと細かい心配りをしてくれました。ちょうど
私たちの日程がダサインの学校休みと重なるので、9歳のダワ君も一緒に
きました。将来、お父さんのような立派なシェルパになるべく、テントの
中でも英語や日本語の勉強に余念がありません。


このような村々をいくつか過ぎて行きます。石垣の横にはタキギの束、
家の前にはトウモロコシを干しています。昔の日本の農村を思いださせる
光景です。


右手の谷間越しに白い峰が姿を現しました。P(ピーク)29です。
P29はK2(ケイツー)と同じく測量番号で、現地名はNgadichuli。
マイケルから聞くと「ナティチュリ」と聞こえました。


日が昇るにつれ次第に暑くなりましたが、水場でゆっくり昼食をすませ、
午後になると雲が出て少し涼しくなりました。最後は急な石段の登り。
羊の群れと行き違いながら登ります。


まだもう少し登りが続きます。最後の休憩でパラパラと来たので傘を
出して歩くと、間もなく車も通れるような広い道にでました。


13時過ぎ、標高1,620mのバグルンパニテント場着。標高差800mの登り
でした。靴を脱ぐと、右足に血を吸って丸々太ったヒルが付いていました。
テントの中にも2匹。雨が降って出てきたらしいです。テント場は何段か
になった草の平地で、下の道はパグルンバニの村に続いています。
道の向こうは水溜まりのような大きな池で、ガンの群れ、水牛、ヤギなど
が次々に訪れます。その横にブランコ(ピンという)があり村の子が遊んで
います。


私たちのテントは隊長の重廣恒夫氏(日本山岳会関西支部長)の隣でした。
左下はバグルンパニ村。左端に突き出したピンの竹竿が見えます。