彼は50歳の時に、強直性脊椎炎という自己免疫疾患(膠原病)にかかりました。
この病気は、治る確率が500人に1人といわれる難病です。
しかし彼は諦めず、「笑い」を治療薬にして病と闘ったのです。
その治療法というのが、「10分間、腹の底から笑う」というもの。
この笑い療法によって、病気による痛みがおさまり、眠りにつくことができるようになったそうです。
どんな治療をしても500人中1人しか治らないこの病気が、「笑い」と「ビタミンC」の両刀使いで治ったのです!
彼はこの治療法を繰り返して、なんと76歳まで生き延びました。
病を克服してから、ノーマン・カズンズは「笑い」の効能について独自に研究をするようになりました。
『笑いと治癒力』という本も出版しているので、ご興味あればどうぞ。
終。
笑いが慢性病を癒す!?
「パッチ・アダムズ」という映画をご存知だろうか。この映画は、笑いを治療に取り入れた実在の精神科医をモデルにしたものだ。笑いは、さまざまな病気治療に役立つことが科学的にも証明され、アメリカだけでなく日本でも医療現場にも取り入れられるようになってきている。その実験例を紹介しよう。
●糖尿病患者の血糖値が低下
2003年2月、国際科学振興財団の「心と遺伝子研究会」では、吉本興業の協力を得て、2日間に渡りつくば市周辺に住む中高年の2型糖尿病患者21人を対象に、血糖値を測定する実験を行った。1日目は糖尿病のメカニズムに関する講義を、2日目はB&Bの漫才を聴いてもらった。いずれも昼食をとった後に講義と漫才を聴いてもらい、さらに食後血糖値をはかった。
すると1日目の空腹時血糖値と食後血糖値の差は平均123mg/dlだったのに対し、2日目は平均77mg/dl。予想をはるかに超え46mg/dlも低下した。笑いが食後の血糖値を下げたのである。
●リウマチ患者の痛みが軽減
1995年から2003年にかけて4回にわたり、関節リウマチ患者に落語を聴いてもらい、気分や痛み、神経系・内分泌系・免疫系への影響などを調べる実験が行われた。ストレスホルモンとも呼ばれるコルチゾール値が基準値の範囲内まで下がる、リウマチを悪化させるインターロイキン-6が劇的に下がる(薬では短時間に下がらない)、さらに実験後1ヵ月程度、患者の体が楽になったり痛みが軽い状態が続いた、などの成果を得た。
●がんへの抵抗力を高める免疫力がアップ
1991年、大阪のなんばグランド花月で、20~62歳の男女19人を対象に、漫才などを体験してもらう実験が行われた。このときに調べたのは、がん細胞を殺すナチュラル・キラー(NK)細胞の活性と、免疫力に関わるリンパ球、CD4とCD8の比率。NK細胞は14人が上昇。免疫力のアクセル役を果たすCD4、ブレーキ役のCD8 も共に正常値に近くなることが分かった。リンパ球に関する結果は、免疫異常の病気にも笑いが有効であることを示している。
笑いを健康管理に取り入れよう
このように、笑いは体の中枢にはたらきかけ、病気に対しても有効なことが証明され始めている。笑いが役立つ免疫異常が原因の病気としてはリウマチのほか、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、膠原病などがある。健康な人でも、脳が活性化しひらめきがよくなったり、笑ってリラックスすると話の理解力が高まる、ストレスが軽くなる、老化防止などのメリットがある。
お笑い番組を見たり、冗談を言い合ったり、コメディ映画を見る、マンガを読む。笑おうと思えばいくらでもネタはある。大笑いすれば少々のストレスは吹き飛んでしまう。また、おかしくなくても笑顔を作るだけでも効果はある。毎日、笑う習慣をつければ、病気になりにくい若々しい生活を送れるのではないでしょうか。
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