曜日のない暮らし

日々の暮らしにあるささやかで素晴らしい瞬間
暮らしと心を癒してくれる生き物たち
山本弘三の写真を中心にした日記帳

初物 ワカメ

2019年01月24日 | 日記

今日の花

白藪椿  京都日向大社の参道で拾った種から生まれました。

 


 4日前が満月でした。大潮なので海へ行ってみたいと思っていましたが、なかなか時間が取れません。今日の干潮は午後5時半です。この潮で海へ行くには今日が最後です。でも、5時半と言えばほとんど日没の時間です。海へ行ってももう暗いでしょうが、それでも行けば気がすむような気がしたので出かけました。

冬の海岸は夏と違いますが別の意味で楽しいものです。海の植物の海藻が生えているからです。なぜか海藻が好きで小学1年から6年まで毎年自由研究は海藻のことでした。それで小学生の頃は海藻について何処に何があるのかとか種類は何種類くらいあるのかとかをよく知っていました。そのせいか、今でも海岸を歩くのは好きです。砂浜は歩きやすいのですが何もないのであまり歩きません。岩の重なり合う磯とかゴロゴロ大きな石で埋め尽くされている浜辺が大好きです。子供の頃は石から石へとぴょんびょん飛ぶように歩きましたが、今はそうは行きません。乗った石が動かないか滑らないかを確かめながら歩きます。でも5時半は少し遅すぎました。海の中は一層暗くて何も見えませんでした。ワカメを一株だけ拾って帰りました。ワカメの語源は芽ですからやはり若いものが美味しいのですね。一株のワカメは夕飯に湯通しして食べましたが歯ごたえもよくとても美味しかったです。今の時期ですと酢橙が使えますので最高です。

 


夕暮れの海

 

この海岸が今日の目的地です。石や岩が多く潮通しの良い場所です。

 

海岸に降りる階段には星が落ちていました。なぜこんな所に。

 

ようやく水際まで下りてきましたがやはり暗いです。

それでも馴れた海ですからあちこち見て歩きました。(自撮りもだいぶ慣れました。)

すぐに日も沈んでしまい、引き上げた方が賢明です。

美味しいものは少しだけあればいいのです。

 

湯通しすると色は一変し茶色のワカメは若々しい緑に変わります。

海が育てたワカメを山が育てた柑橘酢橙とお醤油で食べます。この組み合わせの素晴らしいこと。海の側で暮らす幸せでしょうか。

 

この一皿のために冬の海へ行く


1000年後の夢

2019年01月24日 | 日記

今日の花

菜の花  明るい日差しに黄色い花。 先日薄寒桜の花が咲いていたことを書きましたがすでに菜の花も負けじと咲いています。海岸沿いの道路に沿った空き地にたくさん咲いていました。海の側はやはり暖かいのですね。

 


 昨年も同じ桜のことを書きましたが、エドヒガンと言う桜の品種があります。山桜の一種ですがとても長生きのできる桜です。その桜は日本各地に有名な古木があり、推定では1000年以上経っているのではないかと言われる樹があります。そのような桜は1000年もの間人が守ってきたから生きながらえたのかもしれませんが、桜の木自身もそのような長い時間を生きる力を持っていたということです。私が桜の木を植えはじめたのは32年前ですが、その頃は単純に桜と言えば染井吉野に限ると思っていました。染井吉野が今のように全国に植えられたのは明治以降のことらしいので、古い時代から和歌に詠まれたり、時代的に有名な花見の宴は染井吉野ではないのですね。そんなことも桜を植えはじめたころは気が付きませんでした。最近では、どこでも染井吉野に偏り過ぎていることへの反省からヤマザクラを植えようという運動もおこっているようです。それに習ったわけでもないのですが私もソメイヨシノを卒業して植える桜はいろんな品種に移って行きました。

今日苗木屋さんに依頼して作っていただいた桜の苗木が入荷しました。今年はほんの少しだけです。10本くらいとお願いしてあったのですが来たのは8本でした。この桜は運がよければ1000年後も生きて花をつけているかもしれない桜ですから、植える場所をよーく吟味しなければなりません。私はもちろんいませんが、私の子孫や人類自体がいないかもしれません。人類がたった1000年くらいで滅びるとは考えられませんが、1000年後の世界や地球がどのようになっているか想像するのは難しいですね。SF小説などでは人類はやがて宇宙へ出てゆき、太陽系から銀河宇宙へそしてさらに遠い銀河までも広がって行くことも書かれたりしますが、どうでしょう。桜の木は1000年生きる可能性はありますが、人類が1000年で宇宙へ出てゆく夢はいかがなものでしょうか。「明日と言う日が無くてもわたしは木を植える」というのがありますが、1000年後が無くてもわたしは桜の木を植えたいのです。

 


届いた桜の苗木

 

いきなり山に植えるわけにはいかないので、今日はとりあえず畑の中に仮植えをしました。

 

もうすぐ 桜という千年の時を刻む時計が動き始めます。機械はできた瞬間から壊れることへ向かって進んで行きますが、いきものは違います。成長と世代交代を繰り返して行きますからね。