長尾景虎の戯言

読んだり聞いたりして面白かった物語やお噺等についてや感じたこと等を、その折々の気分で口調を変えて語っています。

有栖川有栖著【インド倶楽部の謎】

2020-11-19 21:32:10 | 本と雑誌

二〇一八年九月五日 第一刷発行。
著者は『国名シリーズ』を八作品出していたが、その後長期間中断していた。
本作は久々に発行されたもので、神戸を舞台にした、お馴染みの火村&有栖コンビの長編本格ミステリ。

前世から自分が死ぬ日まで—-すべての運命が予言されているというインドに伝わる「アガスティアの葉」。
この神秘に触れようと、神戸の異人館街の外れにある屋敷(インド亭・全体としてはコロニアル様式なのだが、インド風の装飾が柱や鎧戸の周辺などに随所に施され、隣人たちがこう呼ぶ)に〈インド倶楽部・有栖が作中で勝手に名付けた〉のメンバー七人(ある神秘な絆で結ばれた〈輩・ともがら〉)、インド亭(戦前から戦後にかけてインド人の大家族が住んでいたが、帰国したので、その後持ち主が転々とし、五年前に手に入れた)の持ち主・間原郷太(まはら ごうた・有名なナイトクラブ・〈ニルヴァーナ〉のオーナー・その名からマハラジャと呼ばれる・四十八歳)、その妻・洋子(ようこ・四十九歳)、加々山郁雄(かがやま いくお・有名なプロモーターで間原郷太の友人であり、心強いビジネスパートナーでもある・五十歳)、井深リン(いぶか りん・ヨガインストラクターで〈ヨガスタジオ・リン〉の経営者・メンバー中最年少・二十代~三十歳位か?)、坊津理帆子(ぼうつ りほこ・私立探偵・三十九歳)、佐分利栄吾(さぶり えいご・臨床心理士・三十三歳)、弦田真象(つるた しんぞう・ストリートミュージシャン?・三十五歳)が集まった。
その他に、間原夫婦の一粒種の愛娘・花蓮(かれん・十七歳・高校二年生)も、たまにこの会に参加することもあるが、この日は友達とミュージカルを観劇した後、その友人とお喋りしたりして帰りは遅くなった。
今回の会は、インド人のナーディー・リーダーであるラジープに、メンバー中三名(加々山郁雄・坊津理帆子・間原郷太)が「アガスティアの葉」のリードをやってもらうための集まりだった。
井深リンの要請で、出戸守(でと まもる・便利屋?・三十半ば)が、ラジープを連れてきたのだった…。

その数日後、イベントに立ち会った者が相次いで(出戸守と坊津理帆子)殺される。
まさかその死は予言されていたのか⁉
捜査(フィールドワーク)をはじめた臨床犯罪学者の火村英生(ひむら ひでお)と推理作家の有栖川有栖(ありすがわ ありす)は、謎に包まれた例会と連続殺人事件の関係に迫っていく!
火村にとっては今回の犯行動機が理解の範疇外だった、事件解明には非科学的な「輪廻転生」こそが重要な鍵となるのだ…。



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