全体の考察
実験1では土の中の微生物の好む温度について調べた。
この実験では、常温と低温ではどちらの方が微生物が活発になりやすいやすいかを調べた。常温の溶液ではデンプンがよく分解されていたが低温の溶液ではデンプンがあまり分解されていなかったことからおそらく、低温の溶液と常温の溶液では常温の溶液の方が微生物が活発になりやすいと考えられる。次の実験でこれが本当に微生物のはたらきなのかどうかを調べることにした。
実験2では土を蒸留水に溶かした溶液(常温)と同様の溶液(煮沸)を使ってデンプンの分解が微生物によるものかどうかを調べた。常温の方はでんぷんが分解されていたが、煮沸した方は変化が無かった。
このことから、デンプンの分解には微生物が関係しているということが確かめられた。
実験3ではデンプンの濃度を変えて微生物がデンプンをどのように分解するかを調べた。濃度の薄い方はすぐに分解されていったが濃度の濃い方は少しずつ分解されていった。
このことからデンプンは微生物によって徐々に分解されているということが分かった。
実験4では土水にそれぞれの濃度の食塩水を加え、デンプンがどのような条件の時に分解されやすいかを調べた。
食塩水の代わりに蒸留水を加えたものではデンプンの分解が遅かったが、食塩水を加えたものでは、デンプンが早く分解されていた。これは溶液に含まれる物質が増えることで微生物が生活しやすくなったということを示している。不純物の少ない川では、微生物が少なく、不純物の多い川では微生物が多い事が知られている。このことからも、溶液にデンプンのような有機物や食塩のような無機物が含まれている方が、微生物が生活しやすく、活動
が活発になるのではないだろうか。
(次は画像付きで書きます)
□実験条件 室温:約29度
湿度:約20度
[動機]
土の中の微生物がどのような条件でようぶんを分解しているのかが気になったから。
[材料]
薬包紙20mlメスシリンダー50mlビーカー200mlビーカー100mlビーカー500mlビーカー薬さじ
ガラス棒 デンプン ヨウ素液 蒸留水 畑の土 100mlメスシリンダー
スポイト
□□ 実験1 □□
目的
土の中の微生物は常温と低温ではどちらのほうが増加しやすいか。
方法
① 蒸留水100mlに畑の土50gを加え、土水を作る。
② ①の土水を不織布でこす。
③ ②から二つのビーカーに20mlずつ入れる。
④ 蒸留水200mlにデンプン0.1gを加えレンジで温め完全に解けたら、冷ましてデンプン液を作る。
⑤ ③の土水に④のデンプン液を20mlずつ加える。
⑥ 一方は冷蔵庫(6.7℃)に入れ、もう一方は室温 (29度)と同じ暗いところで一日おく。
⑦ 次の日、⑤から4mlずつ取り、ヨウ素液を0.5ml入れる。
結果
常温・・・・褐色
考察
低温の所よりも、常温の所の方が微生物が増加しやすく、よりデンプンを分解する。
低音にした溶液よりも常温の溶液のほうが微生物が増加しやすいため、たくさんのデンプンを分解したのではないか。
□□ 実験2 □□
目的
土の中の微生物は常温と高温ではどちらのほうが増加しやすいか。
方法
① 蒸留水100mlに畑の土50gを加え、土水を作る。
② ①の土水を不織布でこす。
③ ②から二つのビーカーに20mlずつ入れる。
④ 蒸留水200mlにデンプン0.1gを加えレンジで温め完全に解けたら、冷ましてデンプン液を作る。
⑤ ③の土水に④のデンプン液を20mlずつ加える。
⑥ 一方は加熱し、もう一方は室温 (29度)と同じ暗いところで一日おく。
⑦ 次の日、⑤から4mlずつ取り、ヨウ素液を0.5ml入れる。
結果
常温・・・・褐色 常温の溶液ではデンプンがよく分解されていたが、煮沸した溶液ではあまりデンプンが分解されていなかった。
高温・・・・青紫
考察
煮沸した溶液よりも常温の溶液のほうがデンプンが分解されていたので、デンプンの分解には微生物が関係しているとわかった。
□□ 実験3 □□
目的
土の中の微生物にデンプンを与えるとデンプンはどのように変化していくか。
方法
① 蒸留水100mlに畑の土40gを加え、土水を作り2つのビーカーに分ける。
② 次に、2つのビーカー蒸留水100mlをそれぞれ入れ、デンプン0.6g、0.8gをそれぞれのビーカーに加えデンプン液を作る。
③ ①の2つの土水に②で作った2つのデンプン液を20mlずつ入れる。
④ ③を一日おいて、③の2つのビーカーからそれぞれ4mlずつ取り出してヨウ素液を0.5ml入れる。
⑤ ④の作業をデンプンが分解されるまで毎日続ける。
結果
|
0.6% |
0.8% |
1日目 |
赤紫 |
青紫 |
2日目 |
薄い赤紫 |
赤紫 |
3日目 |
褐色 |
薄い赤紫 |
4日目 |
褐色 |
褐色 |
1日目は、どちらも分解されていなかったが、日にちがたつにつれて、色が薄くなっていった。0.8よりも薄い0.6の方はすぐに分解されていったが、濃い0.8の方はデンプンが完全に分解されるまでに時間がかかった。
考察
土の中の微生物によって、デンプンが分解されていった。4日間で徐々にデンプンが分解された。デンプンの濃度が薄いとすぐにデンプンが分解されるが濃いときは完全にデンプンが分解されるまでに時間がかかる。なので実験ではデンプンを微生物が徐々に分解しているということがわかった。
□□ 実験4 □□
目的
どれぐらいの食塩水の濃度の時に微生物が活発になりどれくらいのデンプンを分解するか。
方法
① 蒸留水200mlに畑の土100gを加え、土水を作る。
② ①の土水を不織布でこす。
③ 1%、3.5%、7%、14%の食塩水を作る。
④ ③で作ったそれぞれの食塩水20mlに①の土水を20ml混ぜる。
⑤ 蒸留水200mlにデンプン0.1gを加えレンジで温め完全に解けたら、冷ましてデンプン液を作る。
⑥ ④にデンプン液を20mlずつ加える。
⑦ 微生物を活発にさせるために一日おく。
⑧ ⑦で作ったそれぞれの液から、4mlずつ取り、ヨウ素液を0.5ml加え結果を見る。
結果
3.5%が一番反応し、ほかの濃度は反応が薄かった。
考察
食塩水を加えると蒸留水だけを加えるている時よりも微生物が増加しやすくなりデンプンをたくさん分解したと考えられる。