東京大学 大学院理学系研究科の周 雨奇 大学院生、合田 圭介 教授らは東京大学 大学院医学系研究科・東京大学 医学部附属病院 検査部の安本 篤史 助教(研究当時)、矢冨 裕 教授と共同で、血液中の血小板凝集塊が分類できることを世界で初めて発見し、それを定量モデル化した手法「インテリジェント血小板凝集塊分類法(iPAC:intelligent Platelet Aggregate Classifier)」の開発に成功した。
iPACは、特殊な顕微鏡を用いて得られた多数の血小板および血小板凝集塊の画像をもとにした深層学習によって構築された人工知能。
iPACを用いることで、刺激物質(アゴニスト)の種類により血小板凝集塊の形態(形、大きさ、複雑さなど)が微妙に違うことに気づき、血小板凝集塊の形態から活性化を誘導するアゴニストの種類の同定・分類するという画期的な発見をした。
iPACは、血小板凝集のメカニズムを解明するための強力なツールであり、また、流血中の血小板凝集塊の存在は心筋梗塞や脳梗塞の原因となるアテローム血栓症および最近の新型コロナウイルス感染による血栓症と関連することから、血栓性疾患の画期的な臨床診断法、薬理学、治療法への応用展開が期待される。( 科学技術振興機構<JST>)