海洋研究開発機構(JAMSTEC)は、NHKと共同で、深海用8Kスーパーハイビジョンカメラ(U8K-SHVカメラ: Underwater 8K Super Hi-Vision カメラ)の開発に成功し、深海底熱水域の超高精細映像を取得した。
これまで深海に適用されてきた海中カメラ技術はハイビジョンカメラが主流であったが、通常のハイビジョンカメラから得られる画質(解像度)では海底環境や生物あるいは鉱物等の詳細を正確に把握することは限界があった。
一方、映像レベルの高度化には、海中における大容量光伝送技術の高速化に加え、カメラ光学系および海中光学伝搬(照明技術)に至る各海中光学技術に対する最適化が不可欠であった。
そこで上記課題に対して統合的に取り組むことで、ハイビジョンカメラの16倍の超高解像度性能を有する8Kスーパーハイビジョン技術と海中光学技術とを融合させることにより、深海プラットフォームに実装可能な「U8K-SHVカメラ」の開発に成功した。
この「U8K-SHVカメラ」を深海無人探査機「かいこう」に搭載し、小笠原海域(水深約1,300~1,400m)の深海底において性能評価した結果、8Kカメラが備えるべき超高解像度性能を有していることが確認された。
合わせて、「U8K-SHVカメラ」に最適な深海照明を適用することにより、深海における光学的特性が保障され、これまで取得されたことのないマクロからミクロまでの超高精細な深海映像の撮影にも成功した。