散文的で抒情的な、わたくしの意見

大河ドラマ、歴史小説、戦国時代のお話が中心です。

アンハサウェイの映画「パッセンジャーズ」

2016年07月16日 | 日記
アンハサウェイは目が大きい。

正確には違います。友人の女性に「目が大きい」と言ったら「目そのものは大きくない、まぶたが目をふさぐ部分が少ないだけだ」と言われたことがあります。だから正確には「眼球の露出部分が多い」ということになります。

どーでもいい話ですが。

プリティなんとかとか、有名な映画は見ていません。ただ「パッセンジャーズ」だけが好きで、よく見ます。

正確には見る、のではなく、聞くのです。

「大騒ぎがない映画」なので、BGM代わりになるのです。むろん日本語吹き替えです。

以下、ネタバレです。

最後に「全員、本当は幽霊だった」と分かる映画です。

むろん主人公のアンハサウェイも幽霊です。でも死んだことに気付いていない。

で、自分が死んだ事故の調査をしたり、生き残った(と思っている人々)のカウンセリングを請け負ったりします。

でも奇妙なことが多く、死を気付いた人が次々と消えていきます。

少しも暗い映画ではありません。ただ「静かな映画」です。

この静かさ、少しの重さはなんだろう、そう思って見ていると、最後に全部理由がわかります。

ネタバレしても、楽しめる映画です。

「ON異常犯罪捜査官藤堂比奈子」と「沙粧妙子最後の事件」

2016年07月16日 | 日記
日本の犯罪ドラマ、刑事もの、めったに見ないのですが、なんとなく気になって「ON異常犯罪捜査官藤堂比奈子」を見てみました。

波留さん主演。朝ドラは見ていませんが、朝ドラで有名になる前から好きだった女優さんです。

で、久々に日本の犯罪もの、しかも猟奇殺人ものを見て、「これは沙粧妙子のちょっと出来が悪い類似作だな」と感じました。

もう少しきちんと書くと。

ON異常犯罪捜査官藤堂比奈子、原作者、というより脚本家は否定するかもしれませんが、明らかに「沙粧妙子最後の事件」の影響下に脚本が書かれた作品です。だからそれなりには高度です。もっとも「似てはいるが根本的な違い」があって、それが僕の意見では「ON異常犯罪捜査官藤堂比奈子」を「やや程度の低い作品」にしてしまっています。

沙粧妙子最後の事件は1995年の放送。浅野温子さん、柳葉さん。佐野史郎さん。

「カジウラだわ」と書けば、思い出す方もいるはずです。

ON異常犯罪捜査官藤堂比奈子
沙粧妙子最後の事件

主人公の女性刑事そのものが心に深い闇をいだいているところは、全く同じです。

が、沙粧妙子はそれと闘います。もうちょっとで快楽殺人の世界に引き込まれそうになりますが、ギリギリのところで耐え、「あっちの世界」には行きません。最後に最愛の恋人であり、かつ快楽殺人者でもある「カジウラ」を殺すことによって、なんとかこっちの世界にとどまるのです。松岡刑事(柳葉)もまた、恋人を殺され、犯人である快楽殺人者の池波(佐野史郎)を殺そうしますが(池波にとっては松岡を殺人者にすること自体が快楽)、ぎりぎりのところで「こっちの世界」に止まります。

むろん二人の刑事は、普通の日常にはもどれませんが、それでもこっちの世界に留まります。ちなみにこの作品では快楽殺人者の一人として、若き香取慎吾君も出ています。

で、この「沙粧妙子最後の事件」と比較した場合、「ON異常犯罪捜査官藤堂比奈子」の主人公は、どうやら「快楽殺人に自分がひきこまれる心配」はないようです。

ただし、「殺人者の心理に異常とも言える興味」があり、その「能力?」で事件を解決します。

こう書くと、ON異常犯罪捜査官藤堂比奈子の主人公のほうが「まとも」です。「ずっとまとも」と言ってもいい。けれど彼女にとって殺人事件は興味の対象でしかない。そこにほとんど苦悩がない。それがこの作品のレベルを落としている気がします。(もっとも苦悩がない、って設定は意識的なようで、その特徴によって、相棒から不気味な存在と見なされています。また、原作ではちゃんと苦悩するようです。しかし、ではなんでこんな馬鹿な設定にしたのでしょう。)

そして、さらに悪口を書くと、殺人者に魅力がない。底が浅い。幼少期のトラウマで殺人者になったとか、ありきたりです。(ただし、彼らを殺人者に仕立てている人物の存在はいるようです。その点も沙粧妙子そっくりです。)

まあ、一話しか見ていないので、完全にマトはずれかも知れません。ただし「沙粧妙子最後の事件がベースになっている説」には自信があります。池波(佐野史郎)のような人物も、既に一話から登場しています。ちなみに最初のシーンで少女の遺体がでてきますが、口に沢山の飴をくわえています。沙粧妙子の場合は、「バラ」でした。もっとも口に何かをくわえている遺体は、1991年の「羊たちの沈黙」にもでてきます。だだし、羊たち、の方は解剖して初めてわかるくわえ方ですから、やっぱり沙粧妙子のパクリというか、リスペクトというか、真似でありましょう。

またまたちなみに、捜査官そのものが精神的に不安定という設定は、日本に多い気がします。羊たち、のクラリスは多少不安定にせよ、まあまともです。「クリミナルマインド」は毎回とんでもない猟奇殺人が登場しますが、捜査班の人間たちは「鉄の意志」をもっていて、動揺するということがありません。動揺した刑事も二人いますが、即刻退職しています。

以上、ON異常犯罪捜査官藤堂比奈子の感想を書くフリをして、「沙粧妙子最後の事件」のドラマとしての完成度の高さを書きました。実に凄いドラマです。凄すぎて、今はもう放送できないかも、とすら思います。少なくとも地デジでの再放送はありえないでしょう。ただしDVDはありますから、興味のある方は御覧ください。精神にはとても悪いドラマです。中高生は見てはいけません。

追記
書いたあと、久々に沙粧妙子を見てみました。5年ぶりぐらいです。相変わらず、ぐぐっと引き付けられる作品です。魅力的。この快楽殺人をテーマにした、あまりに魅力に満ちた作品は、やはり今は放送できないと思います。あと、この文章では「ストロベリーナイト」に言及する方がよかったのでしょうが、なんか「フワフワした甘っちょろい作品」なので、まともに見てはいないのです。