「梅切らぬバカ」 和島香太郎監督 ○
自閉症の息子と二人で暮らす老いた母親の姿を描いた監督のオリジナル脚本を加賀まりこが54年ぶりの主演で映画化しました。
山田珠子(加賀まりこ)は自閉症の息子忠さんこと忠男(塚地武雅)と梅の木がある古い家に住んでいます。隣家に越してきた里村茂(渡辺いっけい)は道路にはみ出した枝が邪魔だし、忠男は予測のつかない行動を取るので疎んじています。妻と息子は隣家よりも茂のときに横暴とも思える行動のほうがやっかいでもありました。自身の年齢を考え忠男をグループホームに入所させますが、そこではホームへの近隣住民からのクレームが続き存続すら危ぶまれる事態を引き起こしていました。
福祉や医療の施設に対して住民が起こす反対運動、自閉症者などへの偏見や差別、家族の高齢化などさまざまな問題を取り上げ観客に問題提起をする作品です。結局映画の中では何も解決しませんが唯一当初嫌なやつだった茂が同調圧力に屈しなかったところが救いです。
馬が登場するのですから一歩踏み込んでホースセラピーをすることにしてもよかったかな。
なお、タイトルの由来は映画を見ればわかります。
タバコは、なし。無煙です。(○)