「かえるの日」後日メモ

豊島由香のブログです。2006年5月の「かえるの日」公演後から始めました。演劇のことや、日々の出来事などつづっています。

思い出される詩

2010年07月25日 | 演劇・朗読のことなど
「ひそりと、あなたにあう日」ひとつめのお稽古
平野さんの詩と過ごす時間のなかで
これまでで印象に残った詩のことが思い出される。


もうかなり前だけど、テレビ放映でたまたま見た詩のボクシングで聞いた
「ファミコン」という詩のこと。
家族の詩!、可笑しくてほのぼの暖かくて、好きだった。
ネットで探したらすぐにたくさん出てきて、
「本田まさゆき」さんという方だと判明。
あの「ファミコン」しか知らないので、それに限って言えば、だけど
本田さんの詩の居所と、平野さんの詩の居所は似ている気がする。
でも、似ているというのは、あんまりよくないのかな。
私は誰かに似ているといわれると面白いほうなんだけど。
だったらすみません。
これまで、何かにつけ、頭にのぼっていたのに、
お名前忘れてそのままにしていたから今回わかってよかった。
朗読cdも出ているよう、ほしい、買おうっと。


それから。
谷川俊太郎さんの「あなた」という詩。

二十歳になるか、ならずかの頃、
とても美しい友人を前に、
そのころの悩みを聞いてほしくなって話をしていた。
彼女が指定した中の島にある美術館の中の喫茶店だった。
友達の友達で、その関係の遠さと
彼女の透き通るような浮世離れをした雰囲気に
なかなか人に話しにくいことも話せる気がしたのだと思うけれど
結局、うまく話せなくて、気まずかった。
そうしたら、彼女は見せたい詩があると言って
私を本屋に引っ張っていき、谷川俊太郎さんの
『手紙』という詩集におさめられた「あなた」という詩を見せてくれた。
その頃の私は、その頃の自分が手にしようとしていたことは不要なことで
もっとシンプルな状態になれるような思いがして、
ふっと楽になった、いや楽なのかな、あ、やっぱり楽か。
なんだろう。
かすんでいた視界がはっきりしたのかな。
私の話はひどく稚拙だったのに、彼女は理解してくれていたのかしらん。
何度も読んで、そのころは暗誦していたなあ。

他にも谷川さんの詩にはいろいろお世話?になっていて
なかでも「やわらかいいのち」は繰り返し読んだ。


あとは長田弘さんの「ジャングル・ジム」という詩もときどき思い出してきた。
ある声のレッスンで何でもいいから好きなのを持ってきなさいということで
「ジャングル・ジム」を選んで、レッスンしていただいた。
そのおかげで余計に記憶に身体に残った。
ジャングルジムの四角。そして高さ。


あらためていろいろ思い出して、
そんなことごとも、今回の公演の背骨になってくれているのだなあと思う。


あたりまえだけど、舞台のことは全部どこかにつながって
だから、それらにちゃんと耳を澄ませていられるようにありたいなあ。
生活のことごとはもちろんのこと
これまでの出させていただいたお芝居のことや、
観たお芝居、ここ最近観ることできる本数がぐっと減ったけど
そんなことごとが身体に残っている。
ちゃんとそのつながりの音を聞いていられますように。

(このブログではここのところ、
公演のご案内と終わりましたというご報告とお礼だけになっている。
ああ、私など出させていただいたところに対してとくに申し訳ない。
稽古当時いろいろ各所投稿せねばならなかったのにほとんどできなかった。
お世話になったのに。
すいませんすいませんすいません)
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