本州縦断もあとわずかとなりました。
1778.7km中残り61.8km 歩数にすると約9万歩で着、となります。
到着は早くて今週中でしょうか。
ところで、この立っている前方に「大村益次郎墓」とあるのに気付きました。
司馬遼太郎さんの小説 『花神』の主人公・村田蔵六こと大村益次郎。
文庫本で三冊、総ページ数1500ページを越えます。
折角「墓」に近づいたので、文中「墓」に触れたところを抜き書きして
みます。
≪ 墓は故郷にある。
鋳銭司(すせんじ)村の山中にあり、まわりには人家もない。妻琴の墓と
ならんでいる。墓前に供花をそなえる者もまれで、そういう意味ではおそろ
しいばかりにさばさばしている。≫
≪ 執筆中、山口の旧鋳銭司村に住んでおられる内田伸氏のご案内で、蔵
六の墓に詣でることがあった。内田伸氏は蔵六の未亡人であるお琴の向い
に住んでおられたという。
(略)
ところで鋳銭司村の山中のそれも頂上にある蔵六とお琴の墓二基は、墓
という、陰鬱ななかにも変に生命感を感じられるような、そういう通念からよ
ほど遠いものであった。立派な石造物でありながらしらじらしく、風に晒され
て立っており、その前にただずむと、はたして蔵六という男がこの世に実在
したのかどうか、疑わしくなるといったふうに奇妙は感動におそわれた。蔵
六はいかにも蔵六らしく本物の無に帰してしまっているという感じであった。≫
この作家の一文を理解していただく参考に、
大村益次郎については http://ja.wikipedia.org/wiki/大村益次郎
小説 花神 は http://ja.wikipedia.org/wiki/花神_(小説)