医療・介護を支える継続企業の知恵袋

毎日ブログを書き続け10年が過ぎました。2025年、2042年に向けた医療介護の厳しい時代を乗り切る策を考えます。

よく考えて

2018-08-14 05:16:15 | 薬局

あなたならどうする。

 

診療所の医師から、「処方箋を出すから薬局をやらないか」とお誘いがあったらどうするだろうか。

その処方箋枚数は月に多くて600枚で、通常は500枚を少し超える程度だ。

場所は診療所の敷地内で処方箋の獲得はほほできるかもしれない。

診療科は内科である。

 

上記の様な案件を斡旋する人がいる。

もちろん私は”待った”をかける。

月間600枚は夫婦でやる分には成り立つかもしれないが発展性は見込めない。

しかも敷地内にあるために周辺からの処方箋の獲得は難しい。

 

最近の調剤報酬は変な縛りがある。

「地域支援体制加算」には管理薬剤師やかかりつけ薬剤師に必要な要件がある。

ここには当該店舗での1年以上の勤務実績が問われている。

となると新規開業の場合、1年間はお預けとなる。

この縛りはかなり痛い。

 

その他にも開局時間の問題もある。

平日8時間以上、土曜または日曜日の一定時間の開局がある。

600枚程度なら薬剤師1人体制でやることになると思うが、休みなしを強いられる。

勤務していた時より多少の給与が良くなっても薬局への拘束時間はさけられない。

事務員も1人では厳しい。

何らかの用事で休みや有給休暇は発生する。

働き改革と言いながら平日8時間と土日の一定時間は40時間を超える。

もちろん薬剤師も同じで、冬場のインフルエンザが脅威となる。

 

今後の薬局経営を取り巻く環境は楽観できない。

調剤報酬の算定が難しくなる。

勤務実績が1年を満たないと「かかりつけ薬剤師指導料」の算定がおぼつかない。

1人薬剤師なので在宅の実績が難しい。

そうなると「地域支援体制加算」が算定できない。

「調剤料」もどうなるのか期待できない。

さらに薬価の引き下げと価格交渉は難局に乗り上げ、薬価差益もかすり傷みたいなものになる。

 

はっきり言って時代が変わった。

今までのようなビジネスモデルが通用しない。

 

知り合いの薬剤師が1日20数枚の処方箋を応需している薬局を買った。

これを最低限の食い扶持に営業をかけて、丁寧な対応を心がけ、在宅の処方箋が来るようになった。

24時間休む暇もない。

それでも大きな夢をもって日々挑戦している。

その多忙な毎日からこそ新しいビジネスチャンスが生まれるような気がしている。

 

時代は変わった。

 

因みに、診療所の患者は開業5年目をピークに患者数の伸びが終わり、7~8年目頃から下降する。

その診療所は開業から何年?

 

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