医療・介護を支える継続企業の知恵袋          ㈱Kaeマネジメント 代表取締役 駒形和哉

毎日ブログを書き続けもうすぐ10年になります。2025年、2042年に向けた医療介護の厳しい時代を乗り切る策を考えます。

かかりつけ、かかってこい

2015-10-25 05:38:27 | 薬局
出来るのか"かかりつけ"は。

23日に厚生労働省から突然のように「患者のための薬局ビジョン」が公表された。
しかも「策定」となっているので決定時事項だ。
これからはどこの医療機関を受診しても身近にあるかかりつけ薬局に行く仕組みを作るそうだ。
そんなに都合よく患者は動くのだろうか。
詳しい内容についてはすでに何度も触れている。
そこで、ちょっと気になる部分を紹介したい。

かかりつけ薬剤師は患者が薬について不安などが出た場合、いつでも電話で相談できるようにする。
いつでもは24時間365日で昼夜を問わずである。
しかも電話でとなるとかかりつけ薬剤師になったら、携帯電話の番号を患者に知らせる必要が出てくる。
女性は嫌だよね。
私みたいに変な誘いをしたくなる奴も出てくる。
その他にも一般用医薬品や健康食品などの知識を有して相談できることが求められる。
そんな資格制度ができるようだ。
しかも常駐だそうだ。
店舗移動が難しくなる。

気になるOTCの品目数だが、要指導医薬品等は「供給能力や助言体制が出来るように」におさまった。
その他に「健康サポート薬局」には高度な薬学的機能として、抗がん剤や抗HIV剤などに関する知識が求められ、医療機関との連携も重視される。

今回のテーマは「門前」から「かかりつけ」、そして「地域」となっている。
2025年には全ての薬局をかかりつけ薬局にするとも記されている。
以前は5万7,0000軒の全てとしていたがさすがに全てはなくなった。
さらに薬剤師の業務を「対物業務から対人業務へ」も大きな課題となっている。
ここでも対物とは調剤行為そのものを言っているようだ。
で、対人業務とは処方内容のチェック(重複、飲み合わせ)、医師への疑義照会、丁寧な服薬指導、在宅訪問での薬学管理、副作用・服薬状況のフィードバック、処方提案、残薬解消だそうだ。
何気なく思い出して欲しいのが「調剤重視から服薬管理・指導への転換」の「骨太の方針」である。
かなり現実味を帯びてくる。

また定期的にPDCAで実績を確認して進めるともある。
その実績とは「かかりつけ薬剤師・薬局の数」「疑義照会の実態」「24時間対応と在宅対応の実態」「残薬解消状況」「後発医薬品の使用状況」だそうだ。
こうなると追跡調査が始まる。
調査結果が出るたびにケツを叩かれる羽目になる。

そして注目に値するのは管理薬剤師の責任の明確化である。
薬歴未記載や無資格調剤が起きた要因に管理薬剤師の管理責任が問題になっている。
管理薬剤師は開設者に必要な意見を述べる義務がある。
開設者は管理薬剤師の意見に基づき改善を図る義務を負う。
それを怠って問題が生じた場合、管理薬剤師から改善に関する意見があったにもかかわらず、改善がないのは開設者の責任となる。
管理薬剤師は意見をきちんとした「意見書」として開設者に提出しておかないと、後で言った言わないになりかねない。
開設者に知らんふりをされると管理薬剤師の責任が問われる。
ここは認識しておきたい部分である。

昨日は博多で4時間の研修を行った。
意識の高い参加者なので内容も盛り上がった。
残念ながら女性の参加がなく、私の下ネタも続発してしまった。
今日は社内研修のお手伝いである。
午後から3時間ほどだが何を伝えたらいいのか今更ながら思案に暮れる。

そんなせいか早く目が覚めた。



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6 コメント

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毎年の業績評価 って (ぱんや)
2015-10-25 11:46:30
消費税改定を含め三連続の改定どころじゃないですね。
実質的に毎年度ごとに調剤報酬改定があるようなモノですね。
国が決めた。かかりつけ薬剤師・薬局の姿に沿って行かないと判断したら、報酬要件の基準を年度ごとに変えるんじゃないですか?
内部留保の多い大手以外は経営が行き詰まりそうですね。
約20店舗ほど調剤経営 (薬剤師の家族)
2015-10-25 19:59:31
以前コメントさせていただいたものです。毎回高度な情報処理と的確な判断に敬服しております。
ここ最近の駒形社長のブログの切れは凄まじいものがありますね。それもそのはず、来年度から始まる改定から医療介護同時改定の2018年にかけて、行政による中小門前保険調剤薬局撲滅とも言えるシナリオを誰よりも察知なさっているからだと感じでおります。そしてその先の2025年以降のことも。

駒形社長のようの精神を全ての調剤薬局経営者が持ち合わせていれば、このようなことにはならなかったでしょう。毎日ブログを拝読する度にそうかんじます。私の家族は残念ながら駒形社長の精神と真反対です。

しかしながら、駒形社長がご指摘なさるようにいまから手を打っても手遅れだと思います。私の家族が調剤薬局を経営しておりますが、医療従事者の自覚なし、患者、国民を欺く無資格調剤やお薬手帳など常習的水増し請求を行う拝金主義的経営姿勢に以前から違和感を抱いておりました。それゆえ、今回の調剤薬局撲滅のシナリオは、国の情勢的にも、これまでの一部の拝金調剤薬局の行いに対し、いよいよ、お上の大鉈がふるわれるのだろうと、ここ5年くらいの流れから私も確信しております。また、今年に入ってから医院の不正請求の摘発が多発しており、これまでに比べて明らかに摘発件数が増加しています。一方で、なぜか今年は調剤薬局の摘発は少ない。おかしいです。この手の摘発は内部のリークにより摘発されているはずです。それが調剤だけ今年はやたらと少ない。
2015年度調剤報酬改定後、中小調剤経営者が利益減少を回避するために不正請求を連発、そして頃合で何社か摘発→週刊誌などで報道され国民に知識が一般化→中小調剤薬局終焉の流れ。こんな予測をしております。今年一月に調剤薬局の社長が脱税で逮捕されたことが報道されました。今となっては来年度以降起こり得る事象のお告げだったのかも?とすら感じます。現場で社員として働く薬剤師さんの立場になってかんがえるととてもいたたまれない気持ちになります。

私の勝手な判断ですが、拝金主義調剤薬局には早々にご退場いただくことが薬剤師業界の健全化につながり、薬剤師の未来が明るくなる気がします。そして、それを毎日真面目に一生懸命働く薬剤師さん達の自助努力により、何卒成し遂げていただくことをお祈りします。そのタイミングがもしかしてそろそろ近づいてきているような気がします。
拝金主義の調剤薬局はあまりに恨みを買いすぎました。全方位敵だらけなんだと痛感しております。だけど、駒形社長がご指摘なさるように当事者の経営者の認識が甘いですね!私の家族はまだまだ夢の中にいるようです。楽して金儲けしてなにが悪いのだと、浮かれて踊ってる人との対話はほぼ無理なんでしょうね。そろそろ私も家族への対応を真剣に考えないといけないと思います。どうか家族が新聞に載りませんように。

前回に引き続き長文失礼いたしました。

これからも大変貴重なブログをよろしくお願い申し上げます。また、駒形社長のような魂をもつ薬剤師さんが多数養成されることをお祈り申し上げます。
PDCA (駒形和哉)
2015-10-26 07:04:57
国はどうしたいんでしょうか。
今の結果は過去の国の政策が要因です。
そこを棚に上げて薬局が悪いような言い方をしています。

本当に国が目指す"かかりつけ薬局"にしたいなら大幅な制度改正しかありません。
薬局の洗濯でもしないと無理です。

1人の開設者が運営できる店舗数は個別指導に本人が参加できることとか。
保険財源をいただくんですから、それくらいの縛りがあってもおかしくないと思います。
今更無理ですよね。
長文のコメント (駒形和哉)
2015-10-26 07:27:53
ありがとうございます。
確かに、儲け主義に走っている経営者も多々見られます。
地域のためと言いながら何も地域貢献をしていない経営者もいます。
社員のためと言いながら給料のことしか頭にない経営者もいます。
健康を守ると掲げながら、手帳も確認せず、服薬指導もそこそこに、投薬を急がせています。
外車を何台も持っている経営者もいます。
地方都市にはどんな高級店でも手を上げれば、後から請求書が届く馴染みの経営者もいます。

薬局に思い入れがない経営者は既に薬局を商品として売りさばいています。
今が最後の売り時だそうです。
報酬改定が出るとまた値は下がると聞いています
来年以降は、少し変わるんじゃないでしょうか。

と言うか、変わって欲しいと思っています。
真面目に頑張っている薬剤師もたくさんいます。
若い薬剤師は仕事に夢と希望を持って働いています。

ご家族が新聞に掲載されないことを私も願っております。
他に波及しますので。
どちらが悪いと言うか‥。 (ぱんや)
2015-10-26 23:14:15
国も、かかりつけ薬局とか言う前から、保険薬局が地域の根差して経営して欲しいと政策誘導していたと思います。
過去の報酬改定において、基準調剤加算の算定要件に何度も段階的に地域に根差す薬局を評価するような要件を付加してきていませんでしたか?
結局、既存の薬局が経営困難にならないように、文言は立派だけど、実際は『なあなあ』で加算が請求できるレベルでお茶を濁すような施策で終わってましたけど。
例えば、開局時間の要件は2012年度の改定でも、取り上げられましたし。
少なくとも、この3、4回前からの調剤報酬改定において基準調剤加算の文言はだいぶ変わってきたと思います。
少なくとも、文言通りなら、もっとかかりつけ薬局とか言う存在は早くに社会に定着していたのでは、ないですか?
自分たちの既得権=利益をとりあえず守ることを薬局の皆さんも良しとしてきた人達が多かったのじゃないのですか?

どちらが、より悪いとは言えないように 思いますが‥。
同感です! (駒形和哉)
2015-10-27 14:34:20
ぱんやさんが言うとおりだと思います。
今回の”かかりつけ薬局”の要件は、全て既に基準調剤加算の要件にあります。
それを厳密にせずに「なあなあ」で来たためだと思います。

薬歴未記載も無資格調剤の件もいまだに何の処分もありません。
やったもん勝ちです。

ダメはダメ、イイはイイで、正直者が損をする社会は困りますね。

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