気になる「骨太の方針」はどうなるのか。
「経済財政運営と改革の基本方針」は俗に「骨太の方針」と呼ばれている。
これは経済財政諮問会議によって案が作られ6月の始めに閣議決定される。
議長は内閣総理大臣となっている。
そして閣議決定と言うことは現内閣の全員一致が原則である。
これを覆すには政権交代しかない。
この「骨太の方針」に基づいて次年度(2020年)の予算が練られる。
従って、ここに書かれている内容は現内閣として来年度に実施する基本方針となる。
来年度は2020年で診療報酬改定の年である。
「骨太の方針」は調剤報酬改定の根幹をなすといっても間違ではない。
その中の民間議員4人が4月10日に提出した診療報酬改定に関する意見書の存在が大きい。
診療報酬改定に関する案としているが、内容は調剤報酬に関する部分しか書かれていない。
何度かブログでも紹介しているが、日ごろの業務の多忙さに”のど元過ぎれば“の人も多いと思うので、あらためて私流の解釈を紹介しておきたい。
先ずは「調剤料」が危ない話は聞き飽きたと思う。
タイミングがよく厚生労働省から薬剤師以外の者による調剤の範囲が通知されている。
反対しているのは日本薬剤師会だけである。
反対と言うと語弊があるかもしれない。
面と向かっての反対ではない様な曖昧さがある。
それはそれでいいが、通知として出てしまったものは上手に対応するのが賢明ではないだろうか。
実は、民間議員からの提案には、他にも医療用医薬品の中でスイッチOTC化された医薬品の保険給付の在り方にも問題提起されている。
それは「保険外併用療養費制度」として、薬の部分の自己負担率を引き上げる提案がなされている。
医療用医薬品だと医療保険によって1割や3割の負担であるが、スイッチOTC化されて薬局で購入すると高くなる。
しかも薬価以上である。
これでは薬局で買う人がいなくなる。
医療機関を受診すると初診料や再診料がかかり、尚且つ薬局に行くと調剤技術料が医療費として必要になる。
そこで、処方箋における医薬品の自己負担を引き上げるというものである。
こうなると確実に後発医薬品へのシフトが進む。
さらに、日本は諸外国に比べて比較的軽微な受診が多いそうだ。
それは安いからだと思うが、それが医療費を引き上げる要因でもある。
そこで登場するのが”かかりつけ”である。
先ずは「かかりつけ医」を主体に門番(ゲートキーパー)機能を持たせ、安易に受診できない様にしようとしている。
「かかりつけ医」からの紹介状がないと自己負担が増える。
さらに医療機関には診療報酬におけるインセンティブを出し、出来るだけ患者の抱え込みをしてもらう。
但し、これでは「かかりつけ医」を受診すると、患者にとってはディスインセンティブになる。
そこで「かかりつけ医」以外を受診した場合は、医療保険外としての自己負担を課すことを提案している。
そして、この仕組みは「かかりつけ薬局」にも導入するように提案されている。
そこで問題になるのが「かかりつけ薬局」となる。
この定義を明確にしてくれないと何をどの様に準備したらいいのか分からない。
大手調剤チェーンは粛々と「かかりつけ薬局」を想定して準備が始まっている。
そんな動きがあるって知っていただろうか。
今、新幹線で広島から博多に向かう途中です。
網走ですか。
そこの中央病院の前理事長には大変お世話になりました。
35年くらい前になりますかね。
医療も年金も介護もゼロから見直さないと崩壊してしまいます。
痛みを伴う改革ができる政治家いるでしょうか。