医療・介護を支える継続企業の知恵袋

毎日ブログを書き続け10年が過ぎました。2025年、2042年に向けた医療介護の厳しい時代を乗り切る策を考えます。

もうちょっとで盲腸

2023-05-29 05:26:30 | 薬局
そろそろ気づいて欲しいと思うけど遅いかな…。

2024年度の診療報酬及び介護報酬の同時改定に向けた「令和6年度の同時報酬改定に向けた意見交換会」の第3回が終了した。
意外に大事な会議にもかかわらずサラッと流れたような気がする。
第3回が終了と書いたが、これですべてが終わった。
以前もブログに書いたが、こんな会議は次につなげるためもポーズに過ぎない。
次とは来年の予算配分に大きく関係する「骨太の方針」に盛り込むためだ。

第3回は「人生の最終段階における医療・介護」と「訪問看護」がテーマとして上がっている。
この意見交換会に使われている「在宅医療・介護連携の推進」と言う資料がある。
ここでの薬局のポジションは「訪問看護等」の矢印の先にある「訪問看護事業所・薬局」となっている。
そこに書かれている四角で囲われた説明文には「訪問看護事業所、薬局 (医療機関と連携し、服薬管理や点滴・褥瘡処置等の医療処置、看取りケアの実施等)」と薬局らしさを感じさせない。
これでは訪問看護ステーションに備蓄薬の拡大も訪問看護師による処方箋発行も半分以上決まったようなものだ。
何と言っても薬局が医療機関とはつながっていない。
ここに大きな問題と課題性を感じている。
要は、在宅医療の担い手として薬局の存在は薄いのではないだろうか。

在宅患者訪問薬剤指導の届出を行っている薬局で、終末期における訪問薬剤管理指導を行っていると答えたのが26.2%しかない。
これでは「在宅医療・介護連携の推進」の担い手とは言えそうもない。
ニーズがないと言い切れるか。
さらに「全国で麻薬調剤に対応可能な薬局は約8割、無菌製剤処理に対応可能な薬局は1割未満、24時間対応可能な薬局は約3割」との資料もある。
因みに、私の感想だが麻薬調剤に対応可能な薬局とは単に届出をしているだけで、実際に調剤が出来るとは限らないように思う。
さすがに無菌製剤処理は難しいが、せめて連携している薬局として欲しかった。
24時間対応については、先ほどの訪問看護ステーションの備蓄薬拡大につながっている。

今回のテーマに「人生の最終段階における医療・介護」が上がっているのは死亡者数の急増にある。
2021年の死亡者数は年間に約144万人であるが2040年には約170万人と見込まれる。
この170万人に自分も含まれていそうだ。
そして終末期を自宅で迎えたいと言う人も増えている。
残念ながら医療機関も介護施設にも収容できる余裕がない。
それらを踏まえて在宅医療の必要性が求められる。

それなのに薬局は積極的に対応しようとしていないように思う。
もちろんすべての薬局がとは言わない。
ただ残念ながら動いて欲しい中小薬局が手を上げていないのが現実じゃないだろうか。
確かに、手を上げるためのハードルは高い。
そのために助け合う仕組みが必要になる。
地域で支え合う仕組みが…。

誰かが音頭を取らないと「盲腸」のようになる。
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