医療・介護を支える継続企業の知恵袋

毎日ブログを書き続け10年が過ぎました。2025年、2042年に向けた医療介護の厳しい時代を乗り切る策を考えます。

どうして・・・

2019-05-30 05:50:12 | 薬局

山が動いた!

 

こんな言葉を知っている人は少なくなった。

1989年、第15回参院選で社会党を率いた土井たか子さんは、自民党を過半数割れに追い込む大勝利を導く。

この結果を受けて彼女が残した名文句である。

 

昨日の日経新聞に、かねてからうわさがあったドラッグストアのマツモトキヨシHDとココカラファインとの資本業務提携の記事が出た。

9月までの合意を目指しているそうだ。

2018年度の売上を合わせると9,765億円になる。

店舗数も3,008店と最多数になる。

現在のトップはウエルシアHDで売上が7,791億円、店舗数は1,878店舗である。

ウエルシアを大きく引き離すことになる。

2番手がツルハHDで売上が7,716億円と肉薄している。

店舗数は2,055店とこちらも虎視眈々である。

おもしろいのは3位がコスモス薬品で売上が6,100億円、4位がサンドラッグの5,880億円が続く。

このコスモス薬品とサンドラッグは基本的に処方箋を扱っていない。

何か底知れない怖さを感じさせる。

 

ここで注目したいのが調剤売上である。

マツモトキヨシHDの調剤売上は457.1億円、ココカラファインは587.1億円である。

両社を合わせると1,044.2億円になる。

さすがに1,000億円を超えると単純にドラッグストアとは呼べない気がする。

2,000億円を超えるアインHDと日本調剤があり、1,000億円を超えるのはクオールHD、総合メディカルがあり、隠れた存在としてクラフトがある。

つい最近では阪神調剤HDも1,020億円の見込みらしい。

そしてえ忘れてはいけないのがウエルシアの1,298億円となる。

それらに肩を並べる存在となる。

 

この記事を見ながら医薬品卸の大変さを感じた。

医療用医薬品の販売先のパワーが拡大している。

これに輪をかけて手ごわいのが共同交渉ネットワークである。

どこまで頑張れるのか…。

 

それはさて置き、薬局業界も寡占化傾向が見え始めている。

大手調剤チェーンはドラッグストアとの競合が始まる。

立地だけで優位に立てるほど市場は甘くはない。

専門性を求められるとドラッグストアは弱さを感じる。

生活密着度から考えるとドラッグストは利便性を発揮する。

処方箋薬の品揃えから緊急性にも耐えられるかが問われる。

 

3,000店舗がすべて処方箋を扱う日は近い。

その時、中小薬局はどうしたらいいのか。

それはきっとエリアマーケティングへの選択じゃないだろうか。

楽して待つ時代は終わりに近い。

ニーズを求めて能動的な活動が必要になるのではないかと思う。

 

山は動き始めている。

 

最近、いたましい事故や事件が続いている。

何かが壊れかけているような気がする。

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