やはり財源は薬価引き下げなのか。
来月の9日に開かれる「医療用医薬品の流通改善に関する懇談会」(流改懇)では、メーカー仕切価を下回る納品のあり方が問題視されている。
要は、薬価が100円であり、医薬品卸のメーカーからの仕入れ価格が90円だとする。
それを88円で販売し、後からメーカーが医薬品卸の機能に応じた割戻しや、販売促進報償費(アローワンス)などの名目で補填される仕組みになっている。
これが継続的に容認されると取引価格の水準が引き下がり薬価への影響が大きい。
また、割戻しやアローワンスは利益操作にも関わってくる。
極めて曖昧な仕組みである。
さらに「流通改善ガイドライン」の改定も検討される。
未妥結減算が始まり、何となく9月までに価格交渉を済ませたようになっているが、大手調剤チェーンなどでは、10月から再価格交渉に入る場合もある。
ある面では4~9月までの価格を比較的妥当な価格でまとめ、10月からの価格で年度内の調整をする。
こうなると9月に行われる薬価調査の信ぴょう性がなくなる。
厚生労働省は「頻繁な価格交渉」と呼んでいるようだ。
本来ならば、薬価が変わったわけではないので、10月からの価格交渉はおかしな話である。
この業界は変だ。
そもそも価格も決まらないのに医薬品卸から仕入れること自体がおかしい。
もし価格に折り合いが行かず、他の医薬品卸の方がいい条件だったらどうなるのか。
それまでに買った分を条件のいい医薬品卸から仕入れて返品するのか。
2018年度の価格交渉はかなり難航だったようだ。
なかなか医薬品卸が価格の提示をしない。
最期は時間切れ間近となるため妥結になった。
10月の消費増税に伴う薬価改定への対応はどうなったのか。
粘る医薬品卸にあきらめムードの薬局も多い。
価格交渉が面倒になり共同交渉の仲間入りも増えている。
流改懇の話し合いを厚生労働省が後押しすると、ますます価格弾力性はなくなる。
要は、値引き率が低い状態での妥結に近づく。
将来的にはどこから仕入れても同じ価格になりそうだ。
そんな時に医薬品卸はどんな差別化を発揮できるのか。
かなり大きな変革が必要な気がする。
今までの商習慣の大きな転換になる。
医薬品卸の社長に全く異業種からのヘッドハンティングが必要かもしれない。
基本的に世襲が多いので難しいだろうけど。