医療・介護を支える継続企業の知恵袋

毎日ブログを書き続け10年が過ぎました。2025年、2042年に向けた医療介護の厳しい時代を乗り切る策を考えます。

流される

2017-02-14 05:48:11 | 薬局
流れが変わり始めた。

大手調剤チェーンの第3四半期決算報告が出ている。
それによると売上も利益もかなりの落ち込みのようだ。
この一番大きな要因は何と言って薬価の引き下げにあると思われる。
後発医薬品へのインセンティブがあり、切り替えを進めた結果、薬価の引き下げが大きく処方単価に影響している。
この傾向はこれからも続く。
また、C型肝炎治療薬のピークが終わったことも大きい。
何と言っても超高価薬である。
それにもまして驚くのは、その効果じゃないだろうか。
確実に患者が治っている。

さらに「調剤基本料」も大きく影響している。
これについては何度もお伝えしているのであまり触れないが、「調剤基本料」を失っただけではなく、それに伴なう「基準調剤加算」の減額の影響も大きい。
ただこれに関しては着々と「かかりつけ薬剤師指導料」の算定回数を増やして、「調剤基本料1」(41点)に向けての努力が進んでいる。
来年度中にはかなりの復活が起きてくると予想できる。

そして、最も大手調剤チェーンにとって脅威なのが、患者の流れが変わってきたと言う事実である。
既存の大手門前薬局の処方せん枚数が減少傾向にある。
以前にも解説したが大学病院等の特定機能病院や500床以上の地域医療支援病院では、一般外来に対して最低でも初診で5,000円、再診では2,500円以上の自負をもらわなければならない。
中には初診で10,800円、再診で5,400円の大学病院なども出ている。
こうなると”近くて遠い病院”になる。
逆に、異なる医療機関からの紹介になると自費部分がなくなる。
いわゆる「紹介外来」である。

さらに上記の病院および500床以下の地域医療支援病院でも紹介外来にノルマがある。
特定機能病院や500床以上の地域医療支援病院では紹介外来率が50%以上となっており、500床以下の地域医療支援病院でも50%~80%という重いハードルがある。
そうなると否が応でも紹介患者を増やすしかない。
最低ラインを割ると診療報酬の引き下げになる。

紹介外来患者には処方せんは出ない。
なぜなら異なる医療機関から紹介状を携えてきた患者である。
ほとんどが検査の依頼であり、その結果によって元の医療機関に返すか、即入院となる。
従って、処方せんは出ない。

この紹介外来についてはちょっと調べてもらうといい。
これに相対する逆紹介率もあるので合わせてみて欲しい。

実は、特定機能病院が初めて登場した時には紹介外来率が80%だったと記憶する。
という事は1,000人の外来患者がいても処方せんが発行される患者はたったの200人となる。
だから厚生労働大臣が「門前の景色を変える」は、それも踏まえてだと分かる。
敷地内薬局もやればいい。
ただ、数年後には処方せんが少ししか出ないってこともあるって事を踏まえておけば。

流れは常に同じではない。
流れに逆らっては生きていけない。
流れは上手に乗り切るのが賢明だ。

流されないようにね。








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