医療・介護を支える継続企業の知恵袋

毎日ブログを書き続け10年が過ぎました。2025年、2042年に向けた医療介護の厳しい時代を乗り切る策を考えます。

まわりまわって

2011-12-19 06:35:26 | 薬局
エビデンスが問われ始めた。

「調剤基本料」の説明は難しい。
処方せんの受付と同時に算定される。
この医療に対する貢献とは何か?

私がたまに行く保険薬局(あえてこの名称を使う)では、受付カウンターにトレイが置かれていて、「ここに処方せんを置いて下さい」と紙が貼ってある。
事務職は奥の方にいる。
カウンターに薬剤師はいるが投薬が主体で処方せんを受け取るでもない。
で、これでも400円(40点)取るのか。
正直なところ医療とは言えない。
保険薬局の薬剤師は、この「調剤基本料」について説明を求まられた場合何と答えるのだろうか。

11月30日の中医協の審議には「調剤基本料」の40点か24点かが問題となり、1本化にする、しないの議論がなされている。
だが、この議論は的外れだと思う。
なぜなら問題の本質は「調剤基本料」の医療への貢献ではないのか。
ここを明確にしないとただ単に「金をくれ」と言っているに過ぎない。

では、この「調剤基本料」に医療的なエビデンスを導入されると、薬剤師が受け付けて薬歴と照合し疑義の確認や残薬の状態など、さらに後発医薬品への切り替えの希望などを問うことになるのでは。
もちろん現時点で「処方せんの受付の際に」が算定要件になっている「特定薬剤管理指導加算」も同時に出来る。

さて、ここで中医協が審議している「薬剤服用歴管理指導料」を思い出して欲しい。
既にブログ(12/3)でも取り上げた。
「薬剤服用歴管理指導料」の有効活用の中に、ちょっとした変化を見出すことが出来る。
先ず、処方せん単価が上がっている。
その理由は処方期間の長期化にある。
処方期間が長期化すると技術料も多少上がるが、薬剤料が大幅にアップする。
極めて当たり前だ。
長期処方により薬剤量が増えていると言いたいらしい。
その結果として残薬が生じているのではないのかとなる。
この残薬を少しでも解消するには、処方せんの受付の際に残薬の確認が有効だとしている。

さらに、薬局での疑義照会率が薬歴を確認することにより3.15%ある。
そして、この中の68.9%が処方変更となっている。
これは明らかに有効な医療に貢献するエビデンスとしている。
100枚の処方せんがあると2枚ほどに処方変更が見られる。
これもいつ確認するのか?

「調剤基本料」自体の是非はともかく、「薬剤服用暦管理料」から忍び寄る新たなプレッシャーを感じる。
「薬剤服用歴管理指導料」を算定するには、必然的に薬剤師の処方せん受付が必要になり、同時に薬歴の確認も必要になる。
その結果、「調剤基本料」に対する医療的エビデンスも担保される。
なかなか上手な仕組みを考えたものだ。

さすが東大卒は卒がない。


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コメント (6)
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