医療・介護を支える継続企業の知恵袋

毎日ブログを書き続け10年が過ぎました。2025年、2042年に向けた医療介護の厳しい時代を乗り切る策を考えます。

「突然ですが辞めさせて下さい」

2010-07-23 06:55:16 | 薬局
ほんの一部に気まぐれな薬剤師もいる。
その度に冷汗をかきながら薬剤師の手配をしたのを覚えている。
お陰さまで、今はこんなせりふから開放されて数年が経過した。
辞める理由はそれぞれである。
会社の方針や他の職員と合わないとか、責任者にはなりたくないなどちょっと理解に苦しむ。
さらに辞めるタイミングを自分で決めている人もいる。
少なくても雇用時には雇用契約書を交している。
残りの期限はどうなるのか。
もっと驚くのは、今までの分を日割り計算でくださいと来る。
もっとも最悪なのが新規で立ち上げる時に「やっぱり…向いていませんでした」と来られた時だ。
どうする開設許可って言いたくなる。
そして日割りを下さいってか。
こんな時は契約不履行で日割りなしに出来ないものか。
かれこれ10数年前に大きな病院の門前を立ち上げたことがある。
やる、やらないが続き、結局やることになってオープンが1ヶ月後である。
「それは無理でしょう」とは雇われ社長としては言えない。
かくして壮絶なプロジェクトXが始まった。
中島みゆきが耳元で聞こえてくる。
1週間で内装の図面や配置する調剤設備を用意する。
何と予想される処方枚数は600枚を下らない。
工事は突貫作業となる。
とは言っても、そう簡単には準備できない。
結局1ヵ月半後のオープンとなった。
それは何とかなったが、問題は薬剤師と事務職員の確保となる。
話せば長くなるが、2週間くらいの間に12名ほどの薬剤師を確保した。
人間やれば何でも出来る。
がしかし、中にはちょっと変わった方もいた。
この方には2週間でお辞めいただいた。
調剤経験ありとなっていたが、何を指示しても何も出来ない。
暇さえあればパソコンで何やら意味不明なことをやっている。
責任者に注意されると、「具合が悪いので帰ります」と帰ってしまう。
スタッフも気味が悪いと言い出す始末である。
私も何か変だと、ある日例のごとく「具合が悪いので病院に行きたい」と言うので本人と話をした。
いろいろ質問しているうちに、何だか体が震えだしてきた。
ひょっとして病院って…。
予想は当たってしまった。
その方は精神疾患を持っていたようだ。
病気自体はどうしようもないが業務に支障が生じる。
話し合って本人から退職願いが翌日に出てきた。
それも郵送で、その後ある地方病院で面接を受けている彼を発見した。
ここでも1ヶ月分の給与は支払うことになった。
気の弱い経営者である。

コメント
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