とにかくまずはスーフェス初披露の気になる各社の新作ソフビをメインに
写真で紹介していきます。なるべく一体あたりたくさんの枚数を載せようと思うので、
容量が重くなるけどご了承を。
ヤモマークさんの新作怪人ソフビ・ウミプードル。
今回もなんとか買えました。ハイディティールかつボリュームもあり
お客さんのみならずヤモブースを訪問してきたメーカー関係の人も
手にとり感心しているような光景が見られました。
ウミプードルはちょっと新1号ラ●ダーの後半に出てくる、怪人に怪獣の要素が
加わって強化された怪人、のような印象があります。尻尾や腕には羽根というか
ヒレも加わったことでソフビとしてプラスワン感がありますね。
タツノオトシゴモチーフの敵はロボットアニメには割とあるのですが
実写の怪人ものでは、今までなかったように思います。
ヤモさんもダイオウグソクムシ男に次ぐ穴場モチーフ、かつ自分も創作衝動を
わきたてられるようなキャラを模索したのではないかと思います、
水族館めぐりや、海の生物図鑑をめくったりしたのでしょうか。
自分は、ヤモさんの潜在的な水族館体験の中にタツノオトシゴという
奇妙なカタチの魚がいた、ということではないかと推察しています。
タツノオトシゴというと昭和の海のホテルとかに泊まりにいくと
多種の貝殻が詰め合わせになったセットを売っていると必ず干物のようになった
標本が入っていたのを思い出しますね。昭和レトロ感のあるモチーフを
怪人化したことで、飾り立てられた海洋魚の水槽などを想起させる、
奇妙に風情を感じさせる魚です。ヤモマークのソフビはなぜ長靴をはいているのだろう、
という人も居るのですが、わかります。でもヤモ怪人の好きな人は、エキスプロチックな
生物感のあるボディのディティールと相反した足元の長靴やタイツっぽい足の相殺感が
知覚的に、ダサさがミリキであると奇妙な化学変化を起こし、
脳にエンドルフィンを分泌させるのです。韮澤さんや篠原保さんのデザインする平成ラ●ダーの
怪人のような全体の整合性が生んだクリーチャーや魔導士チックな怪人も素晴らしいのですが
昭和の怪人のおおらかさは約束事の少ない怪人の外観という力場を視覚的に示すことで
見る者に弛緩をもたらす。ヤモマークソフビはそこにこだわりつづけることに
怪人好きに対するひとつの保険を発揮しているようなところがあるようです。
しかし今回のはハクセンキングに続いて作りなれた感じが心地よいです。
フットワークが軽いソフビをメーカーさんに作らせるお客の購買環境があるのは
ある意味、お客も自分のほしいソフビを作る共犯性があるのでしょう。
こういう環境があるとメーカーさんもどしどし安心して次のソフビを製品化する
方向に進めるのでしょうけどね。
今回はミニソフビのハクセンキング、ビラビラン、キノコ汁男も原型が完成間近で
あると現物の展示でアピールしていました。怪人ミニソフビもグソクムシ、ザリキングで
しばらく製品化が停まっていたので、ファンには完成が楽しみなところですね。
FRENZYさん。前々回のスーフェスで登場したニューカマー。
オリジナルのヒロイックファンタジーソフビフィギュアシリーズ
シリウス・ザ・バーバリアンシリーズも世界観が幅を広げており、
今後はWEB SHOPオリジナル製品の販売なども計画しているのだとか。
コナン・ザ・グレートでもない、グレイストークでもない、
グラディエーターでもない、ヒーマンでもなーい何か。
海外からの反応が高く、ヒーマンのようなヒロイックキャラクタートイが
メイドインジャパンで登場した気配を察知し、展開当初は熱心なヒーマンファンが
これは一体全体?とやや興奮気味というかパニック気味になっていたのも、海外の掲示板の
やり取りでうかがえました。興味があったんですね。
ある程度、このシリーズは目のつけどころというか、ヒロイックファンタジー発祥の
国である外人さんの琴線にも引っかかるというか、インパクトがあったのでしょうね。
あと、80年代の映画やコミック横断で世界同時多発により展開された
ピカレスクアクションエンタテイメントの記号を踏まえつつ
パチソフビとして、手にした者に自由にイマジネーションを喚起させているようなところが
リアルピカレスクヒーロー世代の郷愁を誘うのかもしれない。
そんなファンの空気を読み、オリジナルヒーマンに似せたカラーもリリースしたところ、
タイムリーだったようで、好評のうちに完売したそうです。
さらに今回は青い色の悪側ボスキャラと黄色い色の戦闘員というかウォリアータイプの
キャラクターソフビも新たにリリースしています。
ビリケン商会さん。逆柱いみりさんの脳内リゾート怪獣計画の人気怪獣、
ブルガンとキングゴゼラのカラーが似た限定アイテムを販売。
コツコツと売れて完売したようです。根強いファンに支えられているようで逆柱
ファンの一人として心強いですね。急ぎでなくていいから新作(次はワニガッパ?)
も出るといいな~。
シカルナ・工房さん。ようやく「デスカッパ」がCSオンエアやDVD発売・レンタル
されて、怪獣映画ファンにも津々浦々その存在が知れ渡り、今回のスーフェス会場でも
「見ましたよ!」と声をかけてくるお客さんも多かったとか。このデスカッパ、シカルナ
テイストでありながら、映画のデスカッパ本人にもすごく似ているし、
適材適所の造形による製品化といえますね。
しかしヒルダと同じ原型師さんって聞くと特撮クリーチャーとアニメキャラクターの
作り分け加減に驚きますね。テイストが違うので。
映画も怪獣映画の本分に立ち返った感じで、デスカッパ以外にも別怪獣が登場し
(こいつがなかなか王道のゴジラタイプでカッコよい)と大決戦を展開。
あと往年の昭和東宝自衛隊のメインレーザー兵器の現代風リファインメカも活躍したり、
過去の特撮映画のプロップを大量に使用した低予算映画ながら都市破壊や
サンダ対ガイラ張りのくんずほぐれつのバトルもガッツリ
やるわで、いろいろあなどれない一本でしたYO.こういう王道の怪獣決闘映画が年に
一回作られるなら、怪獣ファンの命脈も途絶えないのではないかと思います。
サンガッツさんやマーミットさんもよく手がけていますが、
インディーズソフビメーカーさんによる登場キャラのソフビ化も怪獣映画存続に
おいてファンにお祭り感を演出するちょっとしたサポートになるのでは。
ここ数年のゲハラやリメイクギララでもそうでしたが、
公開時やDVDになると登場怪獣が立体でほしくなるものです。
アトリエG-1さん。オリジナルのガラクタギガス。
海外アーチスト、Alex Wald氏によるオリジナルデザインを
ソフビ化。アトリエG-1=奥田スタジオというとこれまで安楽安作さんや
モンストックさんなどオリジナル怪獣ソフビの製作メーカー、ショップとの
関わりも深いことでよく知られているのですが、
とうとうG-1自社オリジナル怪獣が登場しました。
メカガラモン的な要素も加わり、ロボット怪獣の目線で見ても手にした人の脳内に活躍想像図が
浮かべられて、楽しめそう。逆柱いみりさんのように新たなオリジナル怪獣
ソフビシリーズとして今後も世界観を広げていくことになるか?
奥田さんにお話をお聞きすると、「Alexも乗りに乗ってこの怪獣のデザインを描いて
送ってきてくれるのだけど、ディティールがどんどん加わり変わっていくので、
原型を作る側としてイメージを集約、積み上げて作っていくのに苦労したが、
非常に自分でも楽しく造ることができた」とか。
10日くらいで仕上がったというのですが、これだけ全身
ジャンクのディティールがついている手の込んだ原型なのに、あいかわらずの神業ですね。
発売は夏ごろ(ワンフェス?)になるとのこと。
会場でもたくさんの人が原型の写真を撮ったり、
居合わせた奥田さんに質問するなど、初披露のリアクションとしては
まずまずの手ごたえが得られた様子でした。
マーミットさんのカーズワークスブランド。
バァルゼブブもいっぱい撮ってきたのでじっくりご覧あれ。
大きさはスタンダードサイズでなくセミジャイアントソフビって感じで
かなり自己主張が強烈なので飾り場所を選びます。
ハエ「魔王」だけあってすべては支配的です。
しかしどこか王だけあり、風格というか気品も兼ね備えています。
足は獣脚でつま先とかかとがせり出しいともあやうげに着地しており、異形の生物の中に
舞踏や演劇の衣装に見られるようなオートクチュールな装飾イメージも
持たせている点にも注目。怪獣ソフビ、クリーチャー
ソフビの反中から一歩脱却しようという、80年代のビジュアルSF世代の雑誌「宇宙船」
で展開していた造形連載記事以来から赤松氏がずっと取り組んでいる
造形的裾野への標榜も随所にしっかり見てとれるところとなっています。
まずはイベントなどで現物を見て、手にとって驚愕してほしいと思います。
全体にゴシックな雰囲気のカーブや首の周りのフリルなど中世の演劇的な装飾を
うまく体表内にとりこんでいる点に注目すべきでしょう。
クリーチャー好きな外人のソフビ関係の人たちが
さっそく目ざとくこのバァルゼブブを発見、
赤松氏に話しかけて、メイキングストーリーをうかがい目を輝かせていました。
元ネタとなるハエ魔王ことべルゼブブの特徴的なドクロの顔が浮いた羽根も
クリアパーツを使用してこのオリジナルクリーチャーのイメージに
撮りこんだ格好。まがまがしさと精緻さが混在する
今までにないソフビフィギュアを標榜するカーズワークスブランド。
でも根幹には可動もできるソフビ人形としてのアイディンティティも持たせている
ところがマーミットとしての製作活動がそのまま生きているブランドといえるでしょう。
赤松和光氏によると、このシリーズはどうしても量産が利かないのだそう。
自分で塗ると同じコンディションに塗ることができないので
このブランドは一品モノになる、との話。ゆえに完成品は過去のアスタロスでも
グールでも、一個一個が作品ともいうべきコンディションで販売されることに
なるのdeath。こちらも次回スーフェスで塗装版がごく少数売られることに
なるのだろうか。カラバリをじっくり見て味わっていきたい気がします。
あちこちうかがって写真を撮っているとすでに完売して商品が店頭に
存在しなくなるところもあり、にわかに作業がせわしくなるのだった。
こちらは、モノが現場から消える前に関係の方々、
購入者のヒトに撮らせてもらったいくつかのアイテム。
本日は前日遅くまで作業に追われていたため、
朝売りに間に合わなかったので全容をカメラに収めるのに
四苦八苦してました。
上は急きょ参加した、ソフビ原型師・佐藤元将氏の展開する
ターゲットアースさんのガメルドン。
今回はピンク成形色にシルバーのブラシワーク。
数が少なかったようでした。
こちらはマーミットさんの犬怪獣ボビー。前回55回の開催時に張り切って
本編・スペクトルマンのノーマンの話のレビューとともに紹介させてもらった1体。
今回は少数販売となるグリーンの新規成形色アイテムがリリースされました。
サンガッツさんのブースに行こうと思ったら早めの撤収・・・。
そうだ、今日は岡本太郎展に行くので早めに引き揚げるとしようか、ってツイッターに
書いてあったっけ。アタフタ。
まだ道は長い。もちろん各ブースを見ていく旅は軽やかだが。
イベントで一度自分の目で見てきても、こうして撮ってきた写真をみながら
まとめていると、読んでくださる人たちと
いっしょに自分もじっくり再度会場をまわっている感じがしてきますね。
そういうときは書くほうも楽しいので苦になりません。
なんだか3・11の混沌以来、今日は久々にソフビのある日常が戻ってきたような気がしますね。
スーフェス56ルポはまだ続きます。
(文章作成中。。。)