晴朗無上

日々の出来事など

280

2008-12-18 16:21:30 | Weblog
『中原中也 生と身体の感覚』吉竹博・著

 最近、「中原中也」という名前が気になって、
 ブでも、ついつい手にとって、購入した本。

 著者の吉竹氏は労働科学(労働心理学)の先生。
 「たまたま中原中也の詩に疲労感や倦怠感をあらわす表現が
 多いことに注目した・・・」
 ということから、本書ができたのだそうだ。

 科学者らしく、いろんなこと(色彩語、身体語、時間・・・)など、
 数字を使って説明してくれるので、
 なるほどー、と、とてもわかりやすく、理解できる。

 詩と科学、おもしろい取り合わせだ。

 中也さんの詩って、とても叙情的な、
 なつかしくなるような詩だと思っていたけれど、
 同年代の詩と比べると、
 医学用語、哲学用語がとても多いのだそうだ。
 
 ほんの30年しか生きていられなかった中也さん。
 もう少し長く生きていたら、
 文也君がりっぱに成長していたら、
 と、あれこれ、かなわぬことばかり、考えてしまう。