風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

タテ組み、ヨコ組み

2018-12-22 | 文化
日本語は本来縦書き文化。
たまに店の看板など横書きが必要なときは
縦書きに法って、右から書くルールとなっていた。
現在のように横書きを左から書くようになったのは
英語をはじめとした欧米語表記に準じたものと聞いた。
だからルール上本当は
縦書きの句読点は「、。」を使い、
横書きの句読点は(欧米語表記に倣い)「 , . 」を使う。
左からの横書きで「、。」を使うのは
あくまで読みやすくするための慣例なのだろう。
日本語の柔軟性がよくわかる。

縦書きの場合は右綴じ、右開きで奇数ページが左にくる。
横髪は反対に左綴じ、左開きで奇数ページは右。
たまにこれがごっちゃになっている小冊子など見かけるが
(縦書きと横書きが混在している場合などによくある)
習慣というものは恐ろしいもので、読みにくいこと甚だしい。

さて我々の世界では縦書き、横書きと言わず
タテ組み、ヨコ組みと言う。
「組む」とはレイアウトのことだ。
全く同じ文章でも、縦組みと横組みでは読んだ時の印象が違う。
もちろん書体や文字の大きさ(級数)、行間隔でも違ってくるし
同じ言葉でも漢字を使うかひらがなにするかで
読み手の印象は大きく違う。
そういうことを考えつつ、タテで組むか、ヨコで組むか、
書体は、級数は、行間は、余白は・・・などと考えながら
本を作るのはとても楽しい。

日本語はつくづく表意文字なんだなぁと思う。
ぱっと見でイメージがつかめるからね。
ある意味絵画的な言語だと思うよ。
アルファベットだけだとなかなかそうはいかない。
(表音文字だからね)
同じ表意文字の漢字だけでも、
ひらがなの柔らかさやカタカナの特別性を使えないから
多分面白さは半減する気がする。

日本語で本を作る仕事の面白さがここにある。
もっと大切にすべきじゃないかと思うのだ。
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