風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

一服

2021-03-22 | 風人堂

BOOKS & THEATER Cafe 風人堂は今日も営業中。
明日は定休日だが、明後日から提供のランチの準備がある。

私の本業は変わらず編集の仕事だ。
風人堂を始めたころ、何人かの知人に
「今度は店かよ。一体何がしたいんだ?」と言われた。
本や原稿を書き、企画、編集し、電子ブックや雑誌を作る。
一方で映画製作に関わったり、音楽ライブしてみたり、
今度はブックカフェの経営だ。
確かに傍目からはあちこち手を広げているように見えるだろう。
しかし、まち散歩を提唱してマチココを発行し
市街地活性化を私なりに考えてきた延長線上に風人堂はある。
まちを歩く人たちの視線の先に本がある風景を作りたかったから。
花巻のまちの中から本屋や映画館が姿を消して久しい。
ささやかでも、もう一度文化の拠点を作れれば。

とはいえボランティアでやってるわけでもないし、
私は金持ちどころか、毎日お金のやりくりが大変だ。
本業が私の主な収入源とはいえ、
せめて店は収支トントン以上になってもらわないと困る。
本業で店の赤字を埋めているが、
その本業の方もコロナで計画が半分ぐらい飛んだりして、
なかなか思うようには行っていないから火の車となっている。
そういう意味ではお客様にたくさん来て欲しいし
それなりに売上も必要。
店番しながらお客様が途切れると不安も湧いてくる。
みなさん、ぜひおいでください(笑)

でもね、お客様が途切れた時間、
静かなBGMに身を委ね、自分のためにコーヒーを淹れて、
書棚から適当に抜いた本のページを繰る時間もまた至福の時だ。
もちろんPCを開いて仕事をしている時間の方が多いけど
気分転換を兼ねてたまにそんな時間を作る。
考えてみればコーヒーも、静かなBGMも、本も、
自分が好きなものに囲まれている。
高校時代からこんな時間を大切にしてきたはずだ。
大学時代もふらっと喫茶店に寄って本を読んできたし、
社会人になってからも仕事の合間にそんな時間を必ず作ってきた。
なんなら自分が喫茶店のマスターになって
湯気に囲まれながらカウンターの中で読書する生活に
憧れたりもしてきたと思う。
なんだ、それができてるじゃん(笑)
好きな本は売るほどあるし(笑)コーヒーを淹れるのも好きだから
大上段に振りかざしたコンセプトや、経営とはまた別に
もしかしたらすごく心地いい時間を過ごしているのかもしれない。

カウンター越しにお客様と話をするシチュエーションも
昔から夢見ていたことでもあるから
こんな時間をお客様と共有できたら、それが一番いいんだろうね。
コメント
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