風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

2011.3.11

2021-03-11 | 風屋日記

ひっきりなしに上空を飛び回るヘリコプター、
時折猛スピードで走っていく他県ナンバーのパトカーのサイレン。
それでもいつもより妙にしんと静かな数日間。
夜は断続的にやってくる震度3〜5ぐらいの余震に備えて
服を着たまま、ラジオも付けっぱなしで横になる。
三陸沿岸各地から届く被災状況と避難所からの生存者情報。
ろうそくの灯、つながらない携帯。
寒さ対策で毛布をかぶり、
車の給油に2〜3時間並んだガソリンスタンド。
それでも入れてもらえるのは10リッター。
数日後、窓枠いっぱいに貼った大きな紙に
「おにぎり入荷!」と書かれたコンビニエンスストア。
ようやく停電が解消され、
「ブン」と鳴って点いたテレビに映る津波の映像。
携帯が繋がり始めると一斉に着信を始めた安否確認メール。

3/22、止まっている新幹線の代わりに運行を始めた
飛行機の臨時便で単身赴任先の東京へ、
家族を残して帰らざるを得ず後ろ髪ひかれながら帰京。
そこで待っていたのは、東京の友人たちの笑顔とハグだった。
「よくぞ無事で」
羽田空港まで迎えに来てくれた友人もいた。

数十万人、数百万人の「あの日」がある。
それを決して忘れてはいけない。
「あの日」から10年。
コメント
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