風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

哲学と理念

2021-03-04 | 社会
森友、桜を見る会、学術会議、菅首相の息子問題・・・
官僚たちによる国会軽視というか
不祥事や虚偽答弁などの報道を見るたびに
彼らが哀れで仕方がない。
どんなに倫理違反と言われようと
首相の息子の誘いを断れるわけがない。
人事権を握られているから、
どんな報復が待っているかわからないから。
かといって誘いに乗ればバレて処分される。
引くも地獄、進むも地獄。
もちろん悪いのは政治家たちなんだけど
ハラを切らされるのは官僚たちだ。

みなさん東大はじめ、名門大学を出て
キャリア官僚として国のエリートになったはずなのに
どうしてそういうことになってしまうのか。
政治主導の国の体制に変わってきたのもその一因だが
飛躍しすぎかもしれないけれど
貫き通す哲学や理念の確固たる強さが
昔と比べて薄れてきている気がしてならない。
昔は大学で専門的学問を身につける前に
旧制高校で哲学や理念を徹底的に叩き込まれた。
今は難関大学といえども
「公認会計士試験合格率」やら「司法試験合格者数」やら
そんなものが学生募集で謳われている。
「回り道せず効率よく社会的地位を手に入れる」人生が
結果、哲学や理念を蔑ろにしていると思うんだ。
哲学などの無駄な本を読むよりビジネス書を読め、
仲間たちと論じる暇があったら受験勉強をしろ。
そんな風潮が、官庁のみならず民間企業でも
「多少ウソをついてでも事なかれを貫く」
「自分に不利なことから逃げる」
という流れを生んでいる気がしてならない。

「マスクしろ」とか「他県に来るな」とか「子供を黙らせろ」とか
自分で少し考えりゃいいことを声高に主張、
全くどうでもいいような「must do」ばかりで窮屈となり
「理念に従って動く」「良心を大切に仕事をする」みたいな
「本当に必要なmust do」が疎かになっている。
最近の政治や世相を見ていてつくづくそう思うよ。
コメント (2)
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