風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

コミュニティー2

2005-06-16 | 風屋日記
長男が夕べ、某大学のサイトを開いてオープンキャンパス日程を調べていた。
7月中旬がオープンキャンパスで、AO試験は9月、推薦は10月。
野球引退まではまだ1ヶ月あるが、悠長なことも言ってられない。
日程はどんどん迫ってくる。
長男はオープンキャンパス参加申込書をダウンロードし、
ひとりで書きはじめようとしている。

ところで、うちの長男は首都圏の大学を第一志望にしているが
「神楽の時には講議を休んでも帰ってくるよ」と言ってくれる。
「勉強したい分野があるから大学はあっちに行くけど、
 将来は首都圏には住みたくない、花巻に帰ってきたいよ」とも言ってくれる。
これは決して私がそう言うように育て、仕向けたわけではなく(笑)
地域の暖かさ、居心地の良さを知っているからなのだろう。
その希望は決して間違いではないよ・・・という思いを込めて
私はただニコニコとうなずくだけだ。

この地域の人達が子ども達を見る目は優しく暖かい。
地域での少年野球チームや子ども達への神楽指導も
ほとんどPTAをとうに卒業したり、自分の子どもが入っていない人達だ。
もちろんすべてボランティア。
長いこと続けていると、かつて教えた子ども達が立派な(?)青年となり
「おー○○じゃねーか。仕事なにやってらんだ?」と声をかける。
金髪にピアスの青年もニコニコしながら「こんちは」と頭を下げる。
悪さをしそうな中高生には、通る大人みんなが声をかける。
田圃の水止めを抜いて回るいたずら坊主には容赦なく怒鳴りつける。
そんな雰囲気がこの地域にはある。

これがコミュニティーであり、地域の教育力だろう。
わざわざ総合学習の時間を設けなくても、
ちゃんと子ども達は、普段の生活の中で総合学習を行っている。
ひとりで下校する子ども達のことも誰かが目に留めていてくれる。
大人達の暖かい目に見守られて、子ども達は自然にのびのび育っていく。

うちの長男も「おー、帰って来たか」という笑顔に迎えられたくて
もしかすると帰ってくるのかも知れない。
そしてそのうち、今度は自分が子ども達に神楽を教えるようになるのだろう。
そういう歴史を、このコミュニティーは積み重ねてきているのだ。
コメント (8)
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