風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

生きている言葉

2005-03-26 | 風屋日記
「貴様」という言葉にどういうイメージを持っているだろうか。
台湾生まれの方が、字面から敬語と判断し失敗したとのこと。
確かに「貴い様」なので、よく見ると最高級の表現だ。
旧日本軍では仲間同士の呼び名に使ったと聞いたことはあるものの、
でもやっぱり、私的には罵倒する時の2人称だ。

専門家によると、
中世~江戸初期は書き言葉として敬語のひとつだったらしい。
それが江戸中期に至り、話し言葉として使われているうちに
だんだん敬語という性格が薄れ、その意味する立場が下がっていったらしい。
同様の言葉に「御前」→「おまえ」、「貴方」→「あなた」→「あんた」がある。
(以上、今朝の朝日新聞より)

なるほど、言葉は生きている。
英語でも、中学時代は初対面時「How do you do?」と言うよう教わったが、
今は「Nice to meet you!」が一般的らしい。
時代とともに、使い方とともに、言葉は変化し続ける。
それはいい。
ただ、その言語が持つ独特の表現だけは残して欲しいなぁ。
日本語の、意味を含ませる省略表現は
俳句という定型詩を代表例として、特有の美しさを持っているから。
コメント (2)
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