風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

農業

2004-09-29 | 風屋日記
今朝のNHKニュース「新閣僚に聞く」はS農林水産大臣。
開口一番

  「私はね、これまでの生産者の立場からの農政から、
   消費者の立場からの農政に変えようと思うんですよ。
   都会の人間が農業のあり方を考える・・・面白いでしょ?」

面白い・・・か?
消費の方ばかり睨んで、生産を考えなかった挙げ句が森林破壊じゃなかったの?
古くは公害問題から環境問題へ。
すべて消費者(ってか販売者)の利便性、利益性ばかりを考え、
生産現場やその周囲を顧みなかった結果じゃなかったの?

  「BSE問題に絡むアメリカ産牛肉の輸入禁止も早く解禁しなければ。
   なんたって消費者が食べたいって言うんだから・・・」

そういう問題か?
食の安全も、あなた方の言う「国家の安全」のひとつじゃないの?
都合の良い時だけ「自己責任」を押し付け、都合が悪くなると「自己責任」と批判する。
「国家」と「個人」を都合良く使い分けているような気がするなぁ。
例えば年金問題にしても、将来年金がもらえなくなるのは「自己責任」なのかなぁ。
ちなみにこの人は、以前文部大臣も経験している人だ。

農業問題はこれまでの国の干渉(おせっかい)が今の事態を招いているような気がする。
食料確保が国の一大事だった頃は「米の標準価格」が必要だったに違いない。
しかし、減反は余計だ。
米価が下がるなら、農家自身が生産調整をかけるだろう。
自由主義経済とはそういうものじゃなかったの?
まして計画通り減反した農家には補助金をつけるというのは、
「作るのを止めればお金がもらえる」ということであり、
生産に対するモチベーションの低下は避けられない。
今の農家に必要なのはお金じゃない。
「良い食べ物を作り、それで自分も生活できる」という「将来への夢」だ。

農協も元凶のひとつだ。
今の農協は農家に金を貸し、それで農業機械や肥料を買わせて農家相手の商売をしている。
果ては、農協ストアで売れ残った商品を組合員である農家に無理矢理買わせたりする。
違うだろ。
農業がひとつの産業だとすれば、農家はファクトリーだ。
農協は資金調達の総務部門であり、生産技術開発の研究部門であり、
そしてなによりも営業部門であるはずだ。
総務部門や研究部門の経費は消費者への営業で捻出すべきだ。
農家相手の営業を行っているうちは、一般会社で考えると、社内だけで金が回り、
タコが時分の足を食っていることにしかならない。
営業がきっちり市場をリサーチ、開拓し、
市場のニーズに合ったいいものを工場が作る。
農業においてもそうあるべきだと思うが・・・。
コメント
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