はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

薫風

2011-05-05 22:43:32 | アカショウビンのつぶやき

バイカウツギ


カラタネオガタマ


ジャスミン

 狭い我が家の庭にも、香り立つ樹がいくつかある。
いま一番香りが強い「オガタマ」は、甘い薫りを庭中に漂わせ、「バイカウツギ」と「ジャスミン」は風に揺られながら、道行く人々に薫りを届けている。

我が家の「オガタマ」は、神社の境内に植えてある「オガタマノキ」とは、違うようで、「カラタネオガタマ」とか言うらしい。
バナナの香りといわれる甘い香りが、どこからともなく漂ってくるので、「この匂いは何?」と皆さんの注目の的。

小さな苗を植えて二年目の「バイカウツギ」は、私の背丈を超えるほどに大きくなったが、強いビル風をまともに受けるせいか、近づかないと気づかない。

一方、ジャスミンは、勝手に地下茎を延ばすので、少々厄介者扱いになってきた。

それぞれが己の薫りを放ちながら、みどりの日を迎えた。

被災地では、家を流された跡地に球根で眠っていた花々が咲き始めたと言う。
あのがれきの山にも、さわやかな五月の風が吹いているのだろうか。

あの日から、もうすぐ2ヶ月。何も解決しない状況に焦りを覚えるのは、当事者でない私たちも同様。ただ祈るばかりの毎日である。

by アカショウビン

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