春の庭

　ペンクラブの決算報告書作りや他のサークルの名簿作りでデスクワークが続いた。気分転換に草むしりでもしようかと庭に出ると、黄色い花で冬の庭を彩ってくれた石蕗がつややかな葉を広げている。今が食べごろ。皮をむくのは面倒だがそれも気分転換と、柔らかそうな葉柄を切ってゆでた。息子の家族にもお裾分けしようと容器に取り分けた。お嫁さんたちの喜ぶ顔をイメージしてにんまり。

　草むしりを続けようかな。立浪草や菫、鷺苔の可憐な紫が足元を彩って、春の庭は小さな魅力にあふれている。

　熊本市中央区　渡邉布威(81)　2019/4/13　毎日新聞鹿児島版掲載