はがき随筆・鹿児島

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「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

母の追憶

2012-05-31 11:09:42 | はがき随筆
 小学3年の夏休みの早朝、今日は山奥の馬頭観音にお参りに行こうと、母に起こされた。
 昔は副業として、牛を飼って、せり市に出したり、養蚕してまゆを阿久根まで担いで売ったり、養鶏をして卵を出荷したりして家計の一助にしたものだ。
 中でも、手塩にかけた牛さん、他人に託していた牛さんを市場に出していた。その畜魂を慰めるために建立されていたのが観音様。
 徒歩で狭い山道の道のりは、小3の体にこたえた。途中、暑いので道路下の川で水浴びしたのを、今でも鮮明に覚えている。
  鹿児島市 高野幸祐 2012/5/27 毎日新聞鹿児島版掲載

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