この盆休みに、闘病生活が続く父親を見舞う段取りをあれこれ計画して心待ちにしていた長女だったが、断念した。日に日に感染者数が増え続けている、このコロナ禍のさなか、東京に居を構えているものとしては残念ではあるが、当然の決断でもあった。テレビ電話で父親の様子を見知ってはいても、それだけに直接会いたいという思いもなお一層募っていた。落胆している娘に手作りの餃子を送ることにした。私の数少ない「おふくろの味」にカボスも添えた。それに大切に冷凍保存しておいた夫の釣った大ぶりの太刀魚、ドラゴンも丁寧に梱包した。
熊本県菊池郡菊陽町 有村貴代子(73) 2020/8/16 毎日新聞鹿児島版掲載
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