はがき随筆・鹿児島

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「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

待つこと

2016-09-07 21:18:16 | はがき随筆
 鉢物を露地植えにしてこの数年楽しんでいたが、1月の思わぬ寒波で枯らしてしまった。それぞれの半分を処分した。ところが芳香を放って咲いていたシンビジウムは、枯れた葉の中から新芽を6月に出してきた。根は生きていたのだ。デンドロビウムも節々が膨らみ、その先に芽を出してきた。赤紫の包葉が美しいこの時期に、やっと根元に芽をだしてきたブーゲンビリア、それぞれが生きていたのだ。処分した株が惜しまれた。もっと気を長く待てばよかったと後悔した。思えば早合点して失敗したことも多かった。ゆっくり待つことの大切さを学んだ。
  出水市 年神貞子 2016/9/3 毎日新聞鹿児島版掲載

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