6畳間に古ぼけた応接台と座椅子が無造作に置かれ、書籍や雑誌類が散らばり足の踏み場もない。腰高窓の奥にはほの暗い竹林が広がり時々風にきしむ。私の隠れ部屋であり俳句工房だ。愛犬ビスが昼寝に来る以外、家族もめったに寄りつかない。
その部屋を夜な夜な訪れる客がある。8時になると音もなく現れてガラス窓に張りつき、白いのどを見せて私をのぞく。ガラス越しに息遣いさえ感じる。
風の音を聞きながら、静かな会話がはずむ。後期高齢者の称号を頂いた私には、かけがえないパートナーである。
一匹の守宮と風の音を聞く
鹿児島市 福元啓刀(78) 2008/6/29 毎日新聞鹿児島版掲載
その部屋を夜な夜な訪れる客がある。8時になると音もなく現れてガラス窓に張りつき、白いのどを見せて私をのぞく。ガラス越しに息遣いさえ感じる。
風の音を聞きながら、静かな会話がはずむ。後期高齢者の称号を頂いた私には、かけがえないパートナーである。
一匹の守宮と風の音を聞く
鹿児島市 福元啓刀(78) 2008/6/29 毎日新聞鹿児島版掲載
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