ある時、母の文章を目にした。母は筆まめで、よく便りをくれた。達者な字で、いつも近況を添え私たちの健康や安全を気遣うものだった。
しかし、その文は違っていた。「足、足、足というほど足が痛く、びっこを引いています」「誰か治療法を知りませんか?」とある。25年前、同窓会の会報に寄せられたもの。その頃から腰が曲がり、つえをつき、ついには歩けなくなった。私は見守ることしかできなかった。娘には言えなかった親の思い、苦しみが母の年になり深く骨身にしみる……静かに時雨が降り秋が行く。
出水市 伊尻清子 2017/12/3 毎日新聞鹿児島版掲載
しかし、その文は違っていた。「足、足、足というほど足が痛く、びっこを引いています」「誰か治療法を知りませんか?」とある。25年前、同窓会の会報に寄せられたもの。その頃から腰が曲がり、つえをつき、ついには歩けなくなった。私は見守ることしかできなかった。娘には言えなかった親の思い、苦しみが母の年になり深く骨身にしみる……静かに時雨が降り秋が行く。
出水市 伊尻清子 2017/12/3 毎日新聞鹿児島版掲載
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