誰も来ない。どこへも行かない。いつもと変わることなく、夜明け前の4時に起き、トーストをコーヒーで流し込んでから、妻を起こし二人で散歩に出るのは5時、新年を迎えた朝である。
海岸線に初日の出を見ようと人が集まる頃家に戻る。朝風呂を浴び、お節料理が並ぶテーブルに着き、化粧をする妻を待つ。
ビールで乾杯。ここでお年玉と日記を手渡す。日記は妻の365日をひそかに記録したもので、お金は残らないがこれなら残ると思っている。杯はすすみ、今年の夢を語る。二人だけの穏やかで静かな元旦である。
志布志市 若宮庸成 2014/1/20 毎日新聞鹿児島版掲載
海岸線に初日の出を見ようと人が集まる頃家に戻る。朝風呂を浴び、お節料理が並ぶテーブルに着き、化粧をする妻を待つ。
ビールで乾杯。ここでお年玉と日記を手渡す。日記は妻の365日をひそかに記録したもので、お金は残らないがこれなら残ると思っている。杯はすすみ、今年の夢を語る。二人だけの穏やかで静かな元旦である。
志布志市 若宮庸成 2014/1/20 毎日新聞鹿児島版掲載