はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

新年のごあいさつ

2009-01-01 00:00:12 | アカショウビンのつぶやき
新年明けましておめでとうございます。
今年も「はがき随筆ブログ」をよろしくお願いいたします。
どうぞお幸せな年でありますようにと心からお祈りします。




新年にあたり、有名な「アシジのフランシスコの平和の祈り」をご紹介しましょう。

 主よ、
 わたしをあなたの平和の道具としてお使いください。
 憎しみのあるところに愛を、
 いさかいのあるところに許しを、
 分裂のあるところに一致を、
 疑惑のあるところに信仰を、
 誤っているところに真理を、
 絶望のあるところに希望を、
 闇に光を、悲しみのあるところに喜びを
 もたらすものとしてください。
 慰められるよりは慰めることを、
 理解されるよりは理解することを
 愛されるよりは愛することを、
  わたしが求めますように
 わたしたちは、与えるから受け、許すから許され、
 自分を捨てて死に、永遠のいのちをいただくのですから。
     アシジのフランシスコ

 アメリカ国民は変革を選択し、オバマ大統領の指導力を世界中が注目する年だが、今年こそ平和な年となりますように。
 一方、日本では、麻生総理の支持率が低下の一途をたどっている。地球規模で広がった経済危機を人間の叡智で少しでも明るい未来へと舵を取って欲しいもの。






 梅の蕾も膨らみ、ブルーベリーの真っ赤な葉っぱが寒々とした庭を明るく彩っている。玄関先にはいつの間にか「ニオイスミレ」が、ひそかに開き、ほのかな香りを漂わせている。
 
 さあ、丑のようなゆっくりした歩みでいい、新しい一歩を踏みだそう。

 

若年期認知症

2009-01-01 00:00:00 | かごんま便り
 年を取ったと思うことがある。ご年配の読者には若造がと笑われそうだが、20~30代のころに比べ、体力の衰えや物忘れの激しさは明らかだ。
 特に困るのが人の顔と名前の不一致、のど元まで出かかった言葉が出てこない、など。同年配と飲むと決まってこの種のぼやきを聞く。裏返せば、誰でも同じなのだ。だが、もし通常の老化とは違う程度で記憶力や認知能力が衰えてきたらどうか。日々の生活に支障を来し、果ては身近な人々の顔や名前さえ分からなくなったら……。
 全国で170万人とされる認知症患者。今後さらに増加が予想されている。お年寄りの病気と思われがちで、若年期にも認知症があることは案外知られていない。患者が高齢者の場合も家族にとっては大変だが、働き盛り世代が認知症になった場合、日々の生活はもとより経済的にも社会的にも、家族にはより大きな負担がのしかかる。
 先日「認知症の人と家族の会」県支部が初めて開いた、若年認知症の介護者交流会にお邪魔した。妻や父を介護している男女3人の体験談を聞いたが、人生これからという時に日々の暮らしが一変するつらさは相当なものだ。この日の皆さんは淡々と語ったが、冷酷な現実を受け止め、人前で発表するまでに、さまざまな修羅場があったと思う。今まさに修羅場にある患者やその家族が、他にも大勢いるはずだ。
 昨秋、世界アルツハイマーデー(9月21日)を前に京都市で、患者本人の座談会が開かれた。広くこの病気を知ってもらうのが狙いだ。患者がよりよく生きられるためには、家族など周囲の助けだけでなく、本人と家族への制度的な支援と、世間の理解がぜひとも必要だからである。
 なお同支部(099・257・3887) は火・水・金の午前10時~午後4時、相談を受け付けている。悩んでいる人はぜひ、お電話を。

鹿児島支局長 平山千里

 2008/12/24 毎日新聞掲載