はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

誰かのために

2008-11-29 17:19:06 | アカショウビンのつぶやき
 ユニセフの活動に参加して、いつの間にか10年になったらしい。年金生活で、ゆとりがあるわけではないが「どこかの誰かのためにと」私にできる範囲の僅かなものを送り続けてきた。

「10年の長きにわたり、ユニセフを通じて
世界の子どもたちの健やかな成長を支えてくださった
暖かいご支援に敬意を表し、心より感謝申し上げます。
これからも、世界の子どもたちの力強い味方でいてくださいますように…」

との言葉をしたためたカードを入れた小さな額が届いた。
紙製だがしっかりした作りで写真立てにも使えそう。

裏には、かつてユニセフ親善大使だった、オードリー・ヘップバーンの言葉が添えてある。
やりたくてもできないこと、たくさんあります。
子どもたちの亡くなった親を生き返らせるなんてできません。
でも、私たちには、子どもたちの
人間としての基本的な権利を守ることができます。
健康に育ち、優しさの中に生きる、その権利を。


毎日、毎日、地球上のどこかで起きる民族の対立による紛争、頻発するテロや犯罪に巻き込まれて尊い命が奪われている。今年も不幸な事件が相次いだ。
60年以上も平和が続く日本でさえ、子どもたちを取り巻く環境は悪化していく。

もうすぐクリスマス、なのに飢えや戦火のなかで過ごす子どもたちが世界中にいっぱいいる。

「天に栄光、地に平和あれ」のクリスマスメッセージをかみしめつつ、切なる思いで祈る。

サーファーの住む町

2008-11-29 16:24:25 | 女の気持ち/男の気持ち
 通り過ぎていく青年の姿をポカーンと見送った。あまりにも思いがけず私の前に現れたので、現実のものと了解するのにしばらく時間がかかった。
 10月の青空が広がるさわやかな昼前だった。太陽の光に誘われて自宅の門を出た時、右手の方から、片手にサーフボードを抱え、50㏄のバイクに乗った青年がスーッと目の前を通り過ぎて行った。青年の表情はとても楽しげだった。
 一瞬、映画を見ているような錯覚にとらわれた。でもすぐに映画のシーンではないことに気づく。今まで暮らしたどの町でも見られなかったこの光景が、普通に見られるという驚き。
 この町に暮らすようになってもうすぐ3ヶ月。引っ越す前に、種子島でもこの町にはサーファーに一番人気のある海岸があると聞いていた。ここに来てから4、5回海岸に行ったが、噂通りサーファーの姿がいつも見られ、なるほどと納得した。ただ、海で見かけるサーファーは自分たちとは別世界の人たちに見えた。でもバイクで通り過ぎて行った青年は、なぜか身近に感じられた。
 島の青年だろうか? サーフィンが好きで、島外から来て住み着いた青年だろうか? 勝手に想像してしまう。サトウキビ畑の向こうに広がる海を見ながら、自分は種子島で暮らしているんだと再確認する。
   鹿児島県西之表市 西田光子(50) 2008/11/29
   の気持ち 掲載
写真はparusさん

BIG MAMA YUKA ♪♪

2008-11-29 12:18:04 | アカショウビンのつぶやき






 

 日本のゴスペルシンガー第一人者「亀渕友香」を迎え、鹿屋市で初めてのゴスペルコンサートが開催された。杖をついて登場された友香さんが伝えるメッセージや歌声は、暖かく力強く聴くものの心に染み込みました。そして彼女が率いるゴスペルクワイアー“VOJA”と地元のゴスペルグループ“鹿屋プレイズシンガーズ”、それに公募合唱団のコーラス隊の歌声が会場いっぱいに響きました。

 「なかなかコーラス隊の参加者が集まらない…」とこぼす係のNさんの顔を見ていたら、「じゃ、あなたの為に頑張ろうか」なんていい顔を見せようと、いつもの調子で参加することになってしまった私…。
 時はクリスマス前の一番忙しいとき、引き受けてからが大変だったが、歌う楽しみには勝てず、参加して本当に良かった。素晴らしいコンサートだった。

 募集当初は低調だったコーラス隊も、ファミリー参加が多く、総勢80人を越える舞台に。何と言っても最前列のチビッコたちが立派に歌い、練習不足気味の私が恥ずかしくなるほどでありました…。

 オープニングは全員の大合唱、“OH HAAPY DAY”
そして最後に“サンクチュアリ”と“きずな”を歌ってイベント終了。
子どもたちに注ぐ友香さんの暖かい眼差しに、感謝しつつ舞台を降りました。

長い間、ブログ更新をサボってしまいました。おいで下さった皆様「ごめんなさい」。

夢でよかった

2008-11-29 11:03:43 | はがき随筆
 先月の「はがき随筆」に、退職後いまだに職場の夢をみるという男性の作品が掲載された。
 私も体調を崩し早期退職してから9年がたつというのに職場の夢をよく見る。公務員として32年間の職責が、脳裏に深く刻み込まれているようである。
 議会での議員とのやりとり場面では、やつ気早矢継ぎ早の質問攻めにあし四苦八苦している。
 「川端課長、この件はどうするのだ!」「それにつきましては検討したいと思います」「検討じゃなく早急に実施しなさいよ!」。その時、ぱっと目が覚めて夢であることに気づく。
 「ああ、夢で良かった」
   鹿児島市 川端清一郎(61) 2008/11/29 毎日新聞鹿児島版掲載