太陽LOG

「太陽にほえろ!」で育ち、卒業してから数十年…大人になった今、改めて向き合う「太陽」と昭和のドラマ

「大都会PARTⅡ」#36 挑戦

2017年12月17日 | 刑事・探偵モノ
柴田恭兵の登場で、「かわいいチンピラ」というジャンルが生まれました。
なんとテレビドラマの出演は「大都会PARTⅡ」が初だとか。
第15話につづき二度目のゲスト出演ですが、ほとんど“柴田恭兵”です。

当時25歳。見るからに若くて少し硬さもありますが、すでに舞台では活躍されていたせいか、
映像の世界でも最初から自分のスタイルをちゃんと確立しているのがすごいです。

神田正輝さんのデビュー作は、クレジットに(新人)と書いてなかったとしても
「見りゃわかる」感じでしたが、恭兵さんの場合は、少なくとも私はまさか初出演とは思わなかったです。


取調室内が贅沢なことになってます…


以前、黒岩刑事(渡哲也)に捕まったロク(柴田恭兵)は、出所後黒岩に仕返しに恥をかかせようと、
当時世話になった今日子(丘みつ子)を訪ねたふりをして渋谷病院から輸血用の血液を盗み出し、
仲間二人とともに殺人事件を偽装し、バラバラにして袋詰めしたマネキンを海に捨てた。

彼らの計画通り、現場から見つかったナイフと靴から前科者のロクが割り出され、取り調べで海に死体を捨てたと供述するが、
なんと現場からは本物の死体が上がってしまい、ロクたちは本物の殺人犯として追及される羽目になってしまった。



 
ジン(神田正輝)がロクの仲間を尾行していると、彼らの兄貴分の暴力団組員が現れた。彼らが二手に分かれてしまったため、
ジンは組員の方を追うが撒かれてしまう。

ジンの軽快な柵越えが見られるうえ、駆けつけたトクさん(松田優作)と坊さん(小野武彦)に二人の行方を聞かれて
「逃げられちゃった」と答えて「アホか、ばか!」と頭をはたかれ、「だって俺、二人も追えないもん」と言い訳w
転んで顔に泥がついたジンに、「お前、顔どうした」といいつつ顔を拭いてやる態でどんどん泥を塗り広げていくトクさん…
という私的においしい場面がこちら。

神田さんが、なにげなく泥のついた手で顔をこすってスタンバイしてるし、優作さんが泥を嬉しそうに塗りたくって
「かわいそうに、いい男が」と満足げに去っていくのが笑えて、ついつい繰り返し観てしまいます。





本当は慕っているのに、黒岩に悪態をついて故郷に帰っていくロク。
相手になってやるからいつでも東京に出て来いよ、という黒さんに、照れくさそうにちらっと手をあげ、
踊るような足取りで署を出るロク。
素直になれない若者の、それでもにじみ出る喜びをさりげなく表現する恭兵さん。
見守る渡さん、丘さんのまなざしも暖かく、短いながらも強く印象に残るシーンです。



ロクたちが仕込んだ“死体”が引き上げられ、中から出てきた黒岩宛のメッセージを見て爆笑する刑事たち。
後ろのダイバーまで笑ってますw

ユーモラスな場面も多い「PARTⅡ」ですが、なかでもこの回は全体的に明るく笑えて楽しいエピソードで、
それは間違いなく柴田恭兵のおかげだと思います。


「大都会PARTⅡ」は、現在月曜以外の毎朝4時からBS11で放映中です。