吉澤兄一のブログ

お江戸のど真ん中、平河町から、市井のトピックスを日記風につづりたいと思います。

政治とカネの今昔物語、この半世紀。

2007年09月06日 | Weblog
 戦後60年、権力指向、利権指向、金権指向と、政界や政治家の赴くところも変化する。時代や社会の価値基準の変化とは、大いに異なる。高度成長期とその前後にあって、政界を揺るがした事件スキャンダルといえば、造船疑獄(1954)、殖産住宅事件(1972)、ロッキード事件(1976)やリクルート事件(1988)だ。

 いずれも、時の総理の退陣や内閣総辞職などを誘引した。現在の政治とカネ問題との違いに気づくだろう。利権を求める企業と政治や政治家の癒着や、関係癒着を求めて止まない体制政治家は派閥を率いる大物政治家で、贈賄する企業は政治市場がほしい成り上がろうとする政治銘柄企業だ。大型贈収賄が起こる土壌だったのかもしれない。

 裏のカネ、簿外のカネが派閥の親分政治家から派閥の子分政治家に”暮れのモチ代”や”選挙資金”として渡された。税金で政治資金が払われ、政治資金規制法ができ、お金での関係やお金の心配をしないで”政治”が出来るようになったから、このところの”問題”なのか、30年ほど前とは大いに異なる。

 安倍政権になってからの政治とカネ問題や事件の中心は、何と”事務所費”なのだ。税金からの資金や議員としての歳費や諸経費の支援を考えれば、起こりそうもない事務所費問題だから呆れるのだ。品格や品位をいう以前の問題だ。

 玉沢元農水相の領収書五重複写使用を聞くに、政治家の事務経費は”ひとつの領収書を彼らが持つ政治団体の数だけコピーし、何重の計上もできる”らしい。まさかひとつの領収書が(複写し)何重にも使えるなど会社や税務署からも聞いたことがない。事務所費の多重計上や付け替えは、証左につける領収書が複写でも通用する政治家や政治団体に限られるのだろうか。

 佐田前行革相、伊吹文科相、松岡前農水相、赤城前農水相そして改造内閣の遠藤前農水相や若林大臣まで何とか外務政務官や玉沢元農水相まで、みんな事務所費の付け替えや二重多重計上だ。浮かせたお金は何にどこに消えたのだろうか。

 事務方のミスや知らなかったで”修正したり、返金すれば”大した問題ではない公文書偽造や横領や脱税らしいが、詐欺やこそ泥に国の政治を委ねたと思うと何とも情けない。社保庁や市町村窓口の職員が着服横領した3億円があっても、誰も裁判や刑務所に入ってないのも、このような政治家だから役人を糺すことも処罰することもできないということだろう。
 こそ泥や詐欺まがいの事務所費付け替えや多重計上をしたりせず、大型の贈収賄でもやれと言っているわけではないことを断らなければならないのもイヤな世の中だ。
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