吉澤兄一のブログ

お江戸のど真ん中、平河町から、市井のトピックスを日記風につづりたいと思います。

迷走延長選択の2010年7月11日

2010年07月12日 | Weblog
 2009年8月30日の総選挙は、それまでの与党・保守自民党が181議席を失い、それまで野党だった民主党が193議席を上乗せした。与野党が逆転し、民主党が単独の過半数を確実にし308議席、50年にわたり政権を担ってきた保守自民党が119議席になった。与党公明党の21議席を加えても140と民主党単独の308の半分にもならないほどの惨敗を喫した。

 国民がこれまでの保守自民党政治にレッドカードを突きつけた。新しく与党になった民主党は、いわゆるネジレを解消したいと社民党と国民新党を与党化し、参議院での”過半”を確保した。民主党を中心とする新しい革新リベラル政権・鳩山新政権が誕生した。新政権のツートップ小鳩の政治とカネ問題かスキャンダルに加え、未決・迷走を繰り返す鳩山さんに突きつけられたレッドカードのあとを受けて登場したのが今回(参議院)審判を受ける菅民主党政権だ。

 2010年7月11日(日)日本国民が選択した結果は、逆転ねじれ。菅与党民主党の過半数割れ、衆参ねじれ国会になった。民主党44、自民党51、公明党9、みんなの党10、共産党3、国民新党0、社民党2、たちあがれ日本1、新党改革1、と国民新党他も含めた与党は計110と過半数を割る参議院になった。”ねじれ”がますます政治と国会の迷走を増幅させそうな結果だ。

 ムダ削減と消費税増税をどちらが先かと騒ぐ。エンドレスでこれでの区切りがない事業仕分けや天下り法人の廃止や縮減あるいは国会議員や公務員の削減などは急ぐシゴトだが、これで10兆円や20兆円が生み出せるのか甚だこころもとない。並行して消費税や景気向上での税収増を考えることは特別非難されるハナシではなかった。が、国民の理解の外になった。

 2010年度の予算編成にみられるように現予算歳出体系では、とても10兆円や20兆円のスリム化など出来そうにない。事業仕分けやただいまの政治行政の事業縮減で、いかほどの歳出の削減ができるのか。一方で、子ども手当てや農家所得保障など”お金”をバラ撒く施策ばかりが目立つ。景気経済を刺激して、国民の雇用や所得および国の税収アップを計ろうとするが、成果のハテナのエコ・ポイントや中途半端な高速道料金の無料化ぐらいしか浮かばない。

 ますます進行する少子高齢化が見せる社会福祉費用の増加展望のなかにあって、財源の見通しや年金・福祉の展望も示さない。先送りと迷走は許したくない国民だが、民主・自民どちらに近い将来を託すかで、選択した結果は保守自民党だ。続々誕生したミニ政党だが、みんなの党一人勝ち。ムダ公務員や天下りの削減や小さな政府主張のみんなの党が選ばれたという国民の選択が示していることを重く受け止めて欲しいが、不作為、未決、先送りの迷走政治は終わりそうもない。

 普天間の移転問題も先に先になりそうだ。辺野古の環境を保全したい、これ以上沖縄に基地をつくるなという訴えとわが国の安全やアジア日米安保の展望や構想とのすりあわせがない。年々低下する食糧自給率は、これを受容した政策外交にするのか、食糧や農業生産をどこまで回復または向上させるかとの調整もない。小さな国土に多くの人口を抱えるわが国の立ち行く姿も先送りしているのがただいまの政治。政策不作為の迷走はつづく。2010年7月11日の選挙総括。
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