吉澤兄一のブログ

お江戸のど真ん中、平河町から、市井のトピックスを日記風につづりたいと思います。

ふたたび、「貧困は平和への脅威」という認識を!

2010年05月04日 | Weblog
 爆笑問題の太田光さんのインタビューに将棋の名人・羽生善治さんが答えている。『情報や知識は、料理の食材のようなものです』と。将棋界にあって、”永世”という称号をほしいままに得た(永世名人、永世王位や永世王将、永世棋王や永世棋聖など)羽生善治名人の言葉だから、きょうは”情報や知識の料理の仕方”のあれこれを書こうかと思ったが、止めときます。

 テレビが鳩山総理の沖縄訪問ニュース一色だが、それをBGM代わりにしてここ2日ほどブログしてみようと思っていた2006年ノーベル平和賞受賞のムハマド・ユヌス(バングラデシュ)氏の言葉や思いをご紹介しようと思う。彼の著書『貧困のない世界を創る』(翻訳本、早川書房)にあるノーベル賞受賞記念講演録からだ。

 「貧困は平和への脅威」・・・貧困は平和への脅威です。世界の所得配分は、まさに印象的な話です。94%の世界の所得は、世界の40%の人々のところに集まっています。一方では残りの60%の人々がわずか世界所得の6%で暮らしているというのにです。世界人口の半分にあたる人々は、一日2ドルで暮らしています。一億人を超す人々が、わずか一日1ドル未満で暮らしているのです。これでは平和はもたらされません。

 21世紀は、素晴らしくグローバルな夢とともに始まりました。世界の指導者たちが2000年に国連に集まり、2015年までに貧困を半分にするという歴史的な目標を採択したのです。・・・。 私はテロというものは、軍事行動では打ち負かすことはできないと信じています。テロは最も強い言葉で非難すべきです。・・・ 貧困とはまさに、あらゆる人権の不在なのです。

 このようなくだりで彼は、貧しい人々のための銀行「グラミン銀行」を創設することになった。物乞いで暮らすしかない人々に無利子のローンをするマイクロクレジットをはじめた経緯を説明されています。そして、いまでは多くのビジネスマンも知る「ソーシャル・ビジネス」を提案するようになったのだ。ひとり企業の利益最大を追求することから社会利益最大を求めるビジネス・モデルを提言するのです。

 憲法記念日(5/3)やこどもの日(5/5)に、ムハマド・ユヌスさんの『貧困のない世界を創る』(早川書房/猪熊弘子訳)をご紹介できることがうれしい。
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