吉澤兄一のブログ

お江戸のど真ん中、平河町から、市井のトピックスを日記風につづりたいと思います。

会社は、誰のものか?

2007年07月09日 | Weblog
 会社は誰のものかというと、わかり切っているようで分からない。昔なら、当然会社の創業者や資金を出して経営しているオーナーのものと言って取り合わなかったろう。当たり前のことを聞くなということだ。非上場会社や中小企業など株式や社債で市中から資金を得ていないからだが、上場大企業でも創業家やのれんの所有者をもって、あるいは50%以上もの株式を持っている者をもって”その人の会社”だと思われている。資本家や株主こそ会社の所有者だということと同じ類だ。

 一方、会社の資源は人、物、金だといわれているように、企業利益の源泉をもって”会社の所有者”と言う人もいる。実はこの企業利益の源泉は何かということほど難しいテーマはない。ヒトすなわち従業員の労働力こそ利益の源泉だという人もいれば、その会社の製品(商品、サービス)やブランド(意匠)またはその質をもってそういう人もいる。いや、その会社の技術力や生産力または製造コストあたりだと言う人もいる。一番はやはり資本、設備などへの投資力であり、結局株式すなわち株主だと言う人も多い。

 資本主義経済社会だし、資本の論理すなわち株主主権が当たり前なのだから、最近のM&A傾向は是認されて当たり前だという。企業も社会性を持つ法人なのだから社会や消費者市民のものだとか従業員(社員)のものだという考えを排除しようとする人もいる。設備や技術や組織などをもたらすのは結局お金すなわち資本だということでM&Aをしたり、経営を独裁しても、結局社員や従業員がそのM&Aや経営者を受け入れられなければ、働く人(社員)がいなくなる(退社)ということを考えれば、誰が会社の存立にかかわる主導権をもっているかがわかろう。

 人や社会の価値基準の変化は、このような”会社は誰のものか”というような考えにあらわれます。お金(資本、株主)価値を越えたところにある社会性(社会定着、存在)価値こそ企業の存在価値だという変化がみえる。汗と知で働く社員というヒトこそ会社の資産なのだ。非か正かなど論外、正社員を雇用してこそ会社なのだ。
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